■カフェサロン「坊言サロン」の報告
お寺の掲示板に書かれている「言葉」(それを西坂さんは「坊言」と命名しました)を話題にする「坊言サロン」は、意外なことに私を入れて4人のこじんまりしたサロンになりました。
しかし、そのおかげでいつもとは違って、じっくりと話し合えました(かなり脱線はしましたが)。
もう一つ意外だったのは、「坊言」メッセージを掲示しているお寺は多くないということです。
私も、自分の菩提寺も含めて、4つのお寺を回りましたが、メッセージを出していたお寺はありませんでした。
最初に西坂さんから、本で紹介された「坊言」を中心に、「坊言」を出したご住職の想いなどの紹介がありました。
またどうして西坂さんが「坊言」コレクションを始めたのか、そしてそこから何を感じたかなどのお話もしてもらいました。
「坊言」からお寺の実情や世相が見えてくるなどとは言いませんが、そうしたことを考える材料はいくつかあったように思います。
西坂さんによれば、人間関係に関する「坊言」が多いようですが、参加者が共感した「坊言」を2つ紹介します。
「一人でいると孤独感 二人でいると劣等感 三人でいると疎外感」
これは広島県福山市の光林寺の掲示物にあったものですが、実にうなづけます。
もう一つ、
「仲間を作ることは 必ず仲間外れを作ることであります(玉光順正)」
これは、本明寺(東京都墨田区)にあったものだそうですが、玉光順正さんの言葉のようです。
西坂さんのコレクションではありませんが、今回参加できなかった方から寄せられた「坊言」も話題になりました。
「隣のレジは早い」
遠州、森の自得院にあったものだそうです。
ほかにも、西坂さんからいろんな「坊言」のお話がありましたが、考えさせられるも、笑えてしまうものも、誤解しそうなものも、いろいろとありました。
キリスト教の教会にも、箴言が掲示されていることは多いですが、そうしたものに比べると実に人間的で、心にひびいてきます。
最近では、生活とお寺の距離は少し遠くなってしまいましたが、お寺と生活をつなぐとてもいいメディアのような気がしてきました。
昔は、こうしたお寺の「坊言」が、地域社会の住む人たちに大きな影響を与えていたのかもしれません。
最近のお寺は、こういうところに力を入れる余裕がなくなってきているのかもしれません。
でもせっかくの「屋外広告板」を活かしていないのはちょっともったいないなと思いました。
もしお近くで、ちょっと気になる「坊言」に出会ったら、坊言集「きみはそのままでいいんじゃないか」の著者の西坂さんにぜひ連絡してやってください。
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