■節子への挽歌4101:夫婦の会話
節子
今日はあたたかな1日になりました。
先日、俳優の柄本明さんが、数か月前に亡くなった伴侶のお別れ会で話した様子がテレビで流れていました。
角替和枝さんは享年64歳でした。
40年近く、一緒に暮らしたそうです。
柄本さんは伴侶のことを「かずえちゃん」と呼んでいましたが、息子たちも同じように母親のことを「かずえちゃん」と呼んでいました。
とても親しみが持てました。
私たちも名前で呼び合っていましたが、柄本さんの話を聞いていて、私たちよりもずっと仲がよかった夫婦であり、あたたかな家族だと感じました。
毎朝、近くの喫茶店で夫婦で話していたという話も、とてもうらやましく思いました。
私たち夫婦もよく話しましたが、残念ながら喫茶店ではありませんでした。
それに節子は和枝さんよりも2年若く、62歳で旅立ちました。
柄本さんの話を聞いた笹野さんが、「夫婦ってそんなに話すことがあるのか」と言っていました。
夫婦には、話すことは山ほどあるのです。
何を話しているのかと言われても思い出すことはできませんが。
私たちも、いくら話しても話が尽きることはありませんでした。
その相手がある日いなくなる。
柄本さんも言っていましたが、それは「哀しい」とかという以上に、「不条理」なことなのです。
なかなか理解できなのです。
そのことになれるまでに、私は10年近くかかりました。
いまは、返事は戻ってこないけれど、話すことはだいぶできるようになりました。
しかし、以前のように話し続ける幸せは感じられません。
今日は節子の誕生日です。
もし元気だったら、70歳を超えています。
しかし彼岸に旅立った人は、現世では歳をとりません。
62歳の節子が、今日は73回目の誕生日を迎えました。
あたたかな1日でした。
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