■節子への挽歌4175:人間は土地と結びついて初めて幸せになる
節子
立派な愛媛のデコポンが送られてきました。
愛媛に昨年転勤したTさんからです。
Tさんは私よりずっと若い方ですが、なぜ交流が始まったか記憶がありません。
たぶん私が農業協同組合のことを知りたくて訪問したのが最初ではないかと思いますが、その後、フランスに農業の調査で1年以上いっていました。
帰国後、そのさわりのところだけお聞きしました。
Tさんの成果がどう日本の農政に活かされたかは私にはわかりませんが、Tさんはフランス農業だけではなく、協同組合にも詳しい方なので、私はむしろその分野でたくさんの気付きをもらいました。
教えてもらった割には、私はそれをきちんと活かしていないので、申し訳なく思っています。
そのTさんから、お世話になっている私にデコポンが届いたのですから、いささかの驚きを禁じえません。
早速、節子にもお供えしました。
私も娘たちもデコポンは大好物で、この季節は毎日、味わっています。
これは、わが家のささやかなぜいたくの一つなのです。
もっとも、いつもはスーパーの安いデコポンですので、いただいたのとは大違いです。
Tさんにお礼のメールを送ったら、あることでとても助かったのでと書かれていました。
そのことはむしろTさんのおかげの行為だったのですが(つまり感謝すべきは私なのですが)、Tさんにもちょっとお役にたてたようです。
人の役に立てたかどうかは、自分で決めることではなく、相手で感ずることでしょうから、こういうことが起こってもおかしくありません。
とてもうれしいことだったのですが、まあ、それはそれとして、Tさんのメールにこんなことが書かれていました。
フランス人の友達がよく「人間はどこかとの土地と結びついて初めて幸せになる」とよく言っていました。
この短い文章に、愛媛に移って、豊かで幸せにやっているTさんの生活が伝わってきました。
あれだけの成果を上げていたにもかかわらず、なぜTさんが組織を辞めて愛媛に転居したのか、その理由が少しわかったような気がします。
またきっとTさんには会えることでしょう。
Tさんからのデコポンは、美味しいばかりでなく、とても幸せな味がしました。
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