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2019/04/02

■節子への挽歌4163:東京にも空がある

節子
東京には空がない、と高村智恵子はいったそうですが、私は東京の空をよく見ます。
湯島のオフィスに行く途中に、実盛坂という急な階段があります。
いつもその階段を上るのですが、その前に自然と空を見上げるのです。
ですから私はもう30年以上は(途中で3年ほど湯島に来られなかった時期は別にして)、東京の空を見てきました。
智恵子の見たかった空とは大きく違うでしょうが、東京の空も美しいのです。

湯島のオフィスからも空は見えます。
残念ながら以前に比べて、その空はだんだん小さくなってきていて、確かに部屋から見る空は智恵子が嘆くように、空がないと言いたい気分ではあります。
しかし、実盛坂の下から見上げる空はいつも美しい。

青くなくとも、私は好きです。
両側や階段の上にも高層ビルができてしまい、空の面積は狭くなってはいますが、時々、その青の美しさに見とれることもあります。

闘病中の節子も、この坂を登ったことがありますが、その時はたぶんお互いに空を見上げる余裕がありませんでした。
あの頃は、私の中からも空がなくなってしまった。

私がまた東京の空の美しさを思い出したのは、数年前です。
空もまた、自らの心によって、深さが変わってくる。

今朝の空は美しかったです。
もっと奥の人たちに、東京の空を見てほしいといつも思いながら、階段を登っています。
58段の急な階段です。

実盛坂を登ると、すぐ左側が私のオフィスのあるビルです。
たまにいますので、よかったら寄ってください。
運よく私が一人でいたら、コーヒーをご馳走します。
もちろん知らない人にも、です。
ほとんどの場合、私はいないか、あるいは接客中でお相手はできませんが、運がよければ、という話です。
運のいい確率は、たぶん宝くじよりは高いと思います。

湯島のオフィスがもう少し広ければ、そこに住んで、いつでもご接待できるのですが。
どなたか無償で住居を提供してくれたら、第4期はそんな生活でもいいかなと思いだしています。
たくさんの人に囲まれた、孤独な生活は魅力的かもしれません。

Sanemorizaka190320 

 

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