■節子への挽歌4183:遺跡に掘られている女神たちの声が聞こえる
節子
今朝のEテレ「こころの時代」で、長年アンコール遺跡の修復活動に取り組んでいるアンコール遺跡国際調査団長の石澤良昭さんが話されていました。
石澤さんは、最近、遺跡に掘られている女神たちの声が聞こえるというような話をされていました。
石澤さんは、ただ遺跡の修復に取り組んでいるのではありません。
ポルポト政権下の虐殺の時代を生き残った人たちの「心の復興」を続けてきているのです。
遺跡の復興は、物としての復興ではありません。
その時代を生きていた人たちの「いのち」の復興であり、遺跡が見守ってきたすべての時代の人々の蘇生を通した供養なのかもしれません。
遺跡には、たくさんの「いのち」が生きている。
それが感じられるから、人は遺跡に引き寄せられるのではないかと思います。
運がよければ、そうした「いのち」を感じられることもあります。
節子は近代人でしたから、そういうことを忘れさせられていました。
だから私が遺跡や仏像と話せるということに懐疑的でした。
しかし、たぶん自分では気づかないまま、話していたと私は信じています。
そうでなければ、向こうにはあんなに静かには行けなかったでしょう。
石澤さんは、女神たちの声が聞こえるようになったのは、自分が歳とって、彼岸に近づいてきたからだろうと笑いながら話していました。
私も、そう思いますが、彼岸が近づいてくると、死への思いは一変します。
そういえば、荘子も、「死とは幼い頃に離れた故郷に帰るようなものだ」と書いているそうです。
身体の機能は年齢と共に劣化するだけではないようです。
年齢と共に、備わってくる五感機能もあるのかもしれません。
神々の思いが聞こえてくる、というか観えてくる。
「観音」できるように、私も少しなってきたような気がします。
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