■湯島サロン「お墓の活かし方をみんなで話しあいませんか」報告
最初に、篠田石材工業代表の篠田さんが示唆に富むお墓の事例をたくさん紹介してくれました。
今回私が一番刺激を受けたのは、川島なお美さんのお墓の話でした。
そのお墓は、麻布にある賢崇寺にあるそうですが、同じ一画には、俳優の奥田瑛二さんや作曲家の三枝成彰さんもお墓をつくる予定なのだそうです。
というのは、川島さんは、生前、親交のあった人たち10人ほどで、“墓友”を結成し、「賢崇寺のお墓をそれぞれが買って、そこにお墓をつくり、残った人が花を供えたりしよう」などと話し合っていたのだそうです。
一家族ではなく、複数の家族、あるいは数名の仲間が、ひとつの墓ではなく、それぞれのお墓を隣り合わせに建てるという構想です。
亡くなった後もみんなでのお付き合いができると考えてもいいでしょう。
誰かの命日にはそこに集まり、生きている人同士の付き合いを深められますし、死者とのきずなも消えることはありません。
これは、「お墓」とは何かを考える上でとても大きな示唆を含んでいると思います。
篠田さんは、墓石とは、見える部分より、見えない部分にこそ不思議な力が隠されているといいます。
篠田さんはいろんなお墓の事例を紹介してくれましたが、それを聞いていて、私もそう感じました。
前回と同じく、篠田さんは「自分のご先祖様は何人ですか?」と問いかけました。
そして今回は「ご先祖さまシート」というのを紹介してくれました。
自分の名前が一番上にあって、その下に両親の名前、さらにその下に両親の両親の名前…とどんどん書いていくシートです。
普通の家系図とは上下が逆ですが、このシートを見ていると先祖感覚がはっきりと意識できます。
これに関しては、もしかしたらまた篠田さんに「先祖のことを考える」サロンをやってもらえるかもしれません。
篠田さんの後、中下さんが講の話をしてくれました。
講の多くは、生きるための仕組みなので、お墓とのつながりは見えなくなってきていますが、葬儀やお墓は講のかなめになるかもしれません。
最近正面から取り上げていないので、また取り上げたいと思います。
話し合いでは、墓じまいや仏教のお墓とキリスト教のお墓の仕組みの違いなども話題になりました。
またお墓は複数あってもいいのかというような話もありました。
私自身は、これまでの宗教のルールに呪縛されずに、むしろ個人の信仰や生き方をベースにした葬送の仕組みの要として、お墓というものを考えていければと思っています。
私が目指しているのは、生者も死者も支え合う形でつながるコミュニティですが、そういう視点で「墓」というものを活かしていきたいと思っています。
今回は、しかし、大きなミスをしてしまいました。
篠田さんの墓友の話や中下さんの講の話にいろんな要素が含まれていたこともあって、それぞれの参加者のアイデアを引き出すことを忘れてしまったのです。
進行役の私のミスです。
すみません。
またいつか今度は参加者がそれぞれの墓の活かし方を出し合うサロンを企画したいと思います。
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