■第4回万葉集サロン「柿本人麿「近江の荒れたる都を過ぎし時の歌」を読む」のご案内
万葉集サロン4回目は、前回につづき柿本人麿です。
今回は、柿本人麿「近江の荒れたる都を過ぎし時の歌」を題材に、〈亡びにし者たちの「われ」の喪失〉をテーマにします。
講師の升田さんからのテーマ解説です。
壬申乱によって廃墟と化した天智天皇の近江大津宮の跡を詠んだ、人麿の若いとき(万葉初出)の長歌である。
安禄山の戦によって滅んだ唐の都を詩に歌った、杜甫の「春望」(国破れて山河あり 城春にして草木深し)は、漢文の教科書を通して多くの若者たちに感動を与えた。人麿の近江荒都歌は、7~80年それに先んじている。日本で「荒都」を主題とした歌は、これが最初である。
前半は皇統譜を、後半は一転して廃墟の中をさ迷う人麿の姿を歌う。人麿の目に映ったものは何であったか。
動乱調、乱調と言われる人麿の歌には分かり難い部分もあるが、言葉の意味と調子で力強くそこを突き抜けて行く。古代の歌の魅力である。
近江荒都で人麿の詩性を突き動かしたものは、人麿の「われ」と対峙することの決してない、滅んだ人々の〈「われ」の喪失〉だったのではないか。
若き人麿の、心の迷いを歌う古代言語に触れたい。
というわけで、升田さんの人麿論も佳境に入ります。
「滅んだ人々の〈「われ」の喪失〉」とは、ちょっとロマンを感じさせます。
さてどんなお話になるか。
初めての方も大歓迎です。
もちろん予備知識などは不要ですが、できれば壬申の乱に関してちょっとだけ調べてきてもらえれば、もっと楽しくなるかと思います。
お気軽にご参加ください。
〇日時:2019年9月21日(土曜日)午後1時半~4時
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇講師:升田淑子さん(万葉集大好き研究者/元昭和女子大学教授)
〇テーマ:「柿本人麿「近江の荒れたる都を過ぎし時の歌」を読む」
〇会費:500円
〇申込先:佐藤修(qzy00757@nifty.com)
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