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2019/08/15

■湯島サロン「沖縄・辺野古の現状2019年夏」報告

今年もまた、沖縄の東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長の緒方さんに、サロンをやってもらいました。

緒方さんは、アメリカで開催される平和を求める元軍人の会(VFP)の総会に出席する予定だったのですが、体調を崩され渡米は中止されたのに、サロンは無理を言って予定通り開催してもらいました。
ともかく緒方さんのお話をお聞きしたくて、緒方さんには無理をさせてしまいました。
サロンには、女性3人を含む、12人が参加しました。

Henoko190813

最初に緒方さんは、アメリカのVFP総会で上映予定のDVDを見せてくれるとともに、総会で配布される資料の日本語版を配布し、それに沿って、辺野古をめぐる概況とVFP総会へのメッセージを紹介してくれました。
それに加えて、「本土」のマスコミがほとんど取り上げていない琉球新報のワシントン特派員からの衝撃的なニュースを紹介してくれました。

それによれば、最近、上下両院で可決された国防権限法案では、「辺野古を唯一」とする条文が削られ、「国防長官は沖縄やグアム、ハワイ、オーストラリアなどの部隊の展開計画を再調査しなければならない」とされているそうです。
さらに、代替基地としては、「アラスカ、ハワイ、米本土、日本、オセアニアのどこか」と提案されるようですが、ここに書かれている「日本」には「沖縄」は含まれていないそうなのです。

詳しくは、琉球新報の下記の記事をお読みください。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-961260.html
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190726-00000011-ryu-oki

ちなみに、琉球新報の記事にあるように、辺野古基地建設で失われようとしているサンゴ礁や自然の破壊を取り上げた映像ドキュメンタリー「我した島ぬ宝(私たちの島の宝)」も上映されるそうですが、日本のマスコミではなかなか伝わってこない動きが、沖縄の人たちの活動によって、アメリカでも始まっているようです。

日本でも、たとえば自然破壊とか軟弱基盤問題などが話題になりましたが、一時期の話題でそれが大きな流れの変化にはつながっていません。
もしかしたら、アメリカよりも日本の本土は沖縄から遠いのかもしれません。

まだまだ日本では、米軍基地問題は「沖縄の問題」と捉えられがちですが、問題は沖縄のみならず、日本全体の問題です。
沖縄の基地が問題なのではなく、日本に米軍基地があることが問題なのです。
そう考えれば、そもそも「沖縄基地問題」という言い方を変えることから始めなければいけません。
私が今回、一番反省したことはこのことです。

さらに言えば、問題は「米軍基地」ではなくて、現在の国政のあり方であり、私たちの生き方や政治への関わり方の問題です。
緒方さんは、話の中で、報道写真家の岡村昭彦さんの言葉を紹介してくれました。
「本土」の人から基地問題に関して何をしたらいいかを問われた時に、岡村さんは「基地の問題に何ができるかではなく、ご自分の周りにある問題に取り組んでもらえればいい」と応じたそうです。
とても共感できます。
同じような問題は、だれのまわりにもたくさんあるはずです。
それに実践的に取り組んでいえば、かならずそれは基地問題にもつながっていく。

それにしても、7割以上の住民が反対している辺野古埋め立てが、政府によって話し合いさえされずに進められているという、いまの政治のあり方を、私たちはもっと問い直す必要があります。
いつ、そうした政治が私(あなた)の身近な生活に及んでくるかもしれません。
その時に、当事者が7割反対しても押し切られる政治が生み出されているのです。

話し合いはいろいろと広がりましたが、私が一番ショックだったのは、沖縄の大学生たちがこうした「政治問題」に消極的になってきているということです。
若者たちの生き方は、社会の未来を示唆しています。
子育てや学校教育の問題は、決して「福祉問題」にとどまるものではないのです。

琉球・沖縄センターでは活発な情報発信を行っていますが、なかなか沖縄以外の地域には情報が届きません。
今回のように、緒方さんから直接お話を聞くだけでも認識は変わるはずです。
沖縄の実状や基地を取り巻く状況に触れられる場をもっとつくっていけないものか、と今回も思いました。

どなたかそういう場を企画しませんか。大学やNPOでも、個人でも、社会教育の場でも、その気になれば、いろいろと考えられます。
もしご連絡いただければ、私も一緒に考えさせてもらいます。

サロンの話し合いの内容をきちんと書かずにすみません。
参加された方、できればフォローしてもらえるとうれしいです。

 

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