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2019/08/03

■湯島サロン「キャリアコンサルタントになり100歳まで現役で働く」報告

国家資格のキャリアコンサルタント養成講習を主催されている柴田さんにその紹介も含めて、100歳人生時代の働き方に関しても、問題提起していただきました。
他者のキャリア、つまり生き方にまでコミットしていくというキャリアコンサルタントという仕事を国家資格として認定していくという考え方に、いささかの違和感を持っていた私にとっては非常に関心のあるテーマでしたが、柴田さんの話を聞いて、少し考え方が変わりました。
両刃の剣であることは否定できませんが。

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柴田さんは、最初にご自分のこれまでの働き方を最初に話してくれました。
柴田さんは、自らの生き方を悩みながら問い続けることを起点において、他者と関わっていこうという姿勢を持ち続けてきた結果、現在、行き着いたのが「キャリアコンサルタント」なのだと感じました。
柴田さんは、クライアント対象の単なるビジネスとしてキャリアコンサルタントに関わっているのではないようです。
ましてや、国家資格ができたから、それに便乗してのキャリアコンサルタント養成講習ではないのです。

自らのキャリアとの関係においてこそ、他者のキャリアやアイデンティティに関わっていけると考えている私としてはとても共感できました。
柴田さんはまた「ナラティブ」という言葉も使いましたが、そこにも柴田さんの人間的な姿勢を強く感じました。

キャリアコンサルタントは、簡単に言えば、これまでの経験を活かし、人に役立つ専門職です。
経験は人によってさまざまですが、どんな人もそれぞれの人生の中で、その人ならではの体験知を持っています。
失敗が多ければ多いほど、その体験知は貴重です。

しかし、それだけではせっかくの体験知も、その人だけの中で終わってしまう。
それを他者や社会に開いていくためには、コミュニケーションの実践知識や傾聴や対話、あるいは共創というスキルが必要です。
何よりも自分が「何者であるか」を認識しなければいけません、
それによって、自分の体験知が、そして自らの人生が社会性を持ってくる。
柴田さんは、そこに「キャリアコンサルタント」の大きな意義を感じています。
「キャリアコンサルタント」は、個人の生き方を支援することを通じて、会社や社会もよくしていくはずだと確信しているのです。
とても共感できます。

なによりも、苦労して得てきた人生の体験知を他者に役立てることで、キャリアコンサルタントになったその人が一番元気になり、豊かになるはずです。
そしてそれこそが、100歳人生時代の社会を豊かにしていくことになるでしょう。
いろんな捉え方はあるでしょうが、「キャリアコンサルタント」の発想には大きな価値があると思います。

話し合いもいろいろと広がりましたが、みんなまだ「金銭思考の呪縛」から抜け出せないでいるような感じを受けました。
この資格を取得したら「食べていけるのか」という言葉も出ました。
食べるための金額の話も出ましたが、年収200万円未満の友人知人が多い私は、なんだかあまりにも額が高くてついていけませんでした。
人はパンだけでは生きていけず、バラも必要ですし、なによりも、自らの価値を実感できることが必要です。
人生において大切なのは、「食べること」ではなく「生きること」です。

資格を取ったらそれで仕事になるという発想も問題です。
最近話題になっている吉本興業事件で、ある人が、吉本の学校を卒業したらもう自分は芸人だと勘違いしている若者が増えていると言っていましたが、資格は資格でしかありません。
弁護士資格を取っても食えるとは限らないと参加者の一人が指摘していたように、資格を活かして「価値」を生み出すからこそ対価が得られるのです。
資格は必要条件であって十分条件ではありません。

しかも対価とはお金だけではありません。
その発想を変えないと社会は変わらず、100歳人生時代は貧しい時代になりかねません。
逆に、そこを変えれば、人生は豊かになっていくかもしれません。

キャリアコンサルタントの考え方はよいとしても、なぜそれが国家資格なのかという疑問もでました。
現在の「働き方改革」もそうですが、政府が主導するとどうもおかしくなってしまうことは少なくありません。
しかしだからと言って民間主導で進めてもうまくいくとは限りません。
事実たくさんの資格が、資格ビジネスになってしまっている事例も多いです。
大切なのは、その制度を私たちがどう活かしていくかです。

養成講座の費用が高いのではないかという意見もありました。
自分の人生を豊かにするための費用と考えれば、私は決して高いとは思いませんが、そこにもまたキャリアの捉え方や金銭観の違いを感じました。

今回の報告は、いつも以上に私の私見が中心になってしまいました。
柴田さんの趣旨に反しているところがあるかもしれません。
この報告の文責はすべて私にあります。

キャリアコンサルタントに関心のある方はぜひ柴田さんが主宰している志木サテライトオフィスのサイトにアクセスしてみてください。
説明や講座などの情報があります。
https://telework.to/career/shikaku

柴田さんが出版している関連図書もあります。
https://telework.to/company/shibata

 また機会を見て、掘り下げたいテーマです。

 

 

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