■リンカーンクラブ研究会「敗戦後の日本から抜け出るために」報告
「敗戦後の日本から抜け出るために」を大きなテーマにしたリンカーンクラブ研究会が始まりました。
リンカーンクラブ代表の武田さんを中心にした気楽なゼミ形式で、毎月第2土曜日の午後、開催していく予定ですが、メンバーは固定せずに、公開スタイルで進めていきます。
毎回、テーマを設定しますので、関心のあるテーマだけの参加も可能です。
今回は、敗戦後の日本の政治状況をどう見ているか、そうした現状をどう変えていこうと考えているかを意識しながら、課題を確認するような内容になりました。
最初に参加者各人から、「戦後の自民党政治の問題点」を自由に話してもらいました。
次のような、さまざまな意見がでました。
日本人古来の忖度文化を悪用した政治が続いて、いまや国家としてもアメリカに忖度する政治になってきている。
ほんとに民主主義になったのか、戦前の没個性のお上意識が戻ってきているのではないか。
日本人は結局、連帯して動くことができなかった
こんな日本しか作れなかったことで、自分に腹が立つ
ある時から、日本の未来をしっかりと考える本物の政治家がいなくなってきた。
脱政治化された国民国家になってしまったが、今回の山本太郎現象に一筋の光を感ずる。
敗戦後の革命で得たものは失われてしまった、また新たに積み重ねていかねばいけない。
今回の千葉の台風被害のように、予見されていたにもかかわらず、政府はそれよりも内閣改造を優先。災害後の実状も、実際にヘリを飛ばせばわかったはずだが、政府はアクションしなかった。そこに今の政治の本性が象徴されている。
マスコミは政府に利用される存在になってしまったが、今回の台風被害も、ツイッターで現場の人が声をあげてようやく実状が顕在化した。そこに新しい可能性を感ずる
アメリカが倒れそうで中国が力を増している国際情勢の中で、外圧によって、日本は変化を余儀なくされる状況が強まっている。その一方で、国内的にはITによる国民監視が強まっている。いずれにしろ、大きな分岐点にある。
参加者からはこんな意見が出ました。
それを受けて、武田さんからは、概略次のような話がありました。
敗戦後70余年、自民党の政治と言えば、やれることを最大限やってきた政治と言える。
国民に嘘をつき隠ぺいし、憲法に反してまで強引にやってきた政治であり、今やまるで独裁国家のように、自民党は日本国憲法さえも自己の政治の道具にしてしまった。
そして、こうなった責任の大半は、政治に無関心であった国民にもある。
しかし、その自民党政治の限界が見えてきた。
つづいて、安全保障、財政、外交などの具体的な領域において、そうした政治状況が引き起こしている具体的な問題に言及し、有力な自民党議員の血縁者によって占められ「政治ムラ」ともいうべき利権グループ(これは武田さんの表現ではないのですが)に政治を任せておいていいのかと呼びかけました。
いまここで立たねば、未来は開けていかないのではないのか、という武田さんの思いを感じました。
そこから話し合いです。
研究会ですので、あまり逸脱することのないように注意しながら進めましたが、語られた話題を少しリストしておきます。。
政治を決めるのは「制度」か「人」か、どちらがより重要なのか。
象徴としての人間天皇の存在意義。
議会制度や選挙の問題。
マスコミメディアの持つ政治力。
そもそも憲法とは何か、また日本国憲法の成立過程をどう理解すべきか。
政治に根幹としての、どういう国を目指すのかと言う「国家ビジョン」。
政治に目を向ける余裕のない若者世代。
こういう政治を語る場を増やしていくことの大切さ。
こういう議論をどう行動につなげていくか。
ほかにもいろいろとありましたが、個別問題への意見はともかく、現在の危機状況を変えていかなくてはという思いは、参加者全員が共有していたと思います。
となると、ただ話し合っていただけでは、武田さんが言うように、主権を持つ国民としての責任を果たせません。
そのためには、これも武田さんが最初の話で強調しましたが、実態を知らないが故に反応できないでいるという状況から変えていく必要があります。
こうした学びの場がもっと必要です。
同時に、学んだことをできる範囲で実践していくことも大切ですし、それ以上に、社会への働きかけもしなければいけません。
話は大きくなってしまいましたが、しかしまずは、研究会で学び気づき、政治への関心を高めていきながら、時に個別課題の勉強会、さらには公開フォーラムを開催していこうということになりました。
そうしたさまざまな活動が、この研究会から生まれていくようになればと思います。
当面は、毎月第2土曜日の午後に研究会を開催します。
固定メンバーとして参加したい方はご連絡ください。
次回(10月12日)は、まずは「目指すべき国家像」をテーマにします。
政治を語るに際して、大切なのはどういう国を目指すのかと言うビジョンですから。
参加者は、あらかじめ自分が考える「こんな国にしたい」と言う国家像を考えてきてほしいと、武田ゼミ先生は言っています。
よろしくお願いいたします。
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