■節子への挽歌4395:バカに悪い人はいない
節子
武田さんと久しぶりに、といっても、2か月ぶりくらいですが、2人でゆっくりと食事をしました。
武田さんと会う時には、彼がいまのところ経済的な富者ですので、私は彼のお布施を受けてやる役割で、偉そうな態度で、いつもご馳走になっています。
お互いに、この現世にはそう長くはいないでしょう。
武田さんは間違いなく自分が先に逝くと思っていますが、そうとは限りません。
その残り少ない人生で、武田さんは少し生き方を変えようと思いだしています。
ライフワークだった直接民主主義研究とその普及のリンカーンクラブを、いよいよ実践活動に向かわせようと考えています。
私は、これまで彼の趣味活動のリンカーンクラブの事務局長を2回勤めましたが、実践の取り組みに関して意見の食い違いがあり、2回とも「罷免」されています。
困ったものです。
でもまあ、武田さんが実践に少しでも向かうのであれば、荷担しなければいけません。
それで、改めてリンカーンクラブ研究会をはじめ、そこから緩やかな実践の芽を育てることにささやかに関わることにしました。
そこで、武田さんの意向を再確認しようと思ったのですが、まあそんな話は数分で終わり、あとは人生論のような話になってしまいました。
節子も、武田さんのことはよく知っていますが、武田さんも節子のことをよく知っています。
だから会話にも節子がよく出てくるのです。
しかも、呼び捨てで。
武田さんも仕事をやめて年金暮らしになると、年金額は私よりも少なくなるかもしれません。
布施関係は逆転するかもしれません。
しかし、武田さんの場合は、奥さんがしっかりしていますので、年金は道楽消費にすべて向かいかねません。
まあ私が武田さんにご馳走することはないでしょう。
来世はわかりませんが。
やはり経済観念は女性の方がしっかりしています。
節子でさえ、私よりもしっかりしていましたから。
武田さんとは生き方や価値観は大きく違いますが、絶対に嘘をつかないので話していても気がやすまります。
それに私と同じ程度のバカなのです。
武田さんはいつも私のことを、頭はいいけれどバカだと言っていますが、自分のかなりのバカなのです。
ここだけの話ですが。
そういえば、節子もかなりのバカでした。
そして、バカに悪い人はいないのです。
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