■節子への挽歌4412:狸に化かされた気がします
節子
那須の2日目はちょっと不思議なことから始まりました。
詳しくは時評編の無駄話に書きましたが、朝、別荘近くに荒れ果てたホーンテッドマンションがあるというので、一人に見に行きました。
敷地内に入ってはいけないと言われていましたが、自然と入り込んでしまい、上を見上げたら2階の片隅の部屋に明かりがついていました。
もう少しよく見ようと見える場所を探していたら、下の道を誰かがやってくる足音が聞こえました。
不法侵入なので隠れるわけにもいかず、家を離れて道の方に行ったのですが、それは高等遊民仲間でした。
それにまつわる経緯は時評編に書きましたのでここでは繰り返しませんが、あれは幽界からの誘いだったのではないかと思います。
さらにその後も同じようなことが起こったのです。
ゆったりと贅沢な朝食を済ませたあと、上田さんの誘いで那須岳に行くことになりました。
ところが遊民の一人が、どうしてもロープウェイには乗らないと言い出しました。
それで下から茶臼を眺めて、それからまた温泉に行くことにしました。
上田さんがきちんといつも調べておいてくれるのですが、そこではなくもっとワイルドなところに行こうということになりました。
私は観光旅館的な温泉はあまり好きではありませんので、即座に賛成。
これもなんとなく上田さんの計らいのような気もしますが、その温泉の近くに、道からはそれとは分からない温泉があるというのです。
古い旅館ですが、開いているかどうかわからないほど傷んだ旅館です。
しかも、玄関先には、パンクして汚れた自動車と屋根が半分へこんでしまっている自動車が止まっていました。
旅館の前に川があり、そこに橋がかかっていますが、その橋もどうみても壊れっぱなしで、最近誰かが歩いた形跡はありません。
歩くのも心配のような橋です。
入るのを躊躇していたら、突然、人が出てきて誘導してくれました。
料金がいささか高かったので、上田さんは一瞬躊躇しましたが、お化け屋敷のような感じがみんな気に入ってしまいました。
そして入浴。
建物の中に温泉がありましたが、外にも露天風呂がいくつかありました。
建物の中野温泉は暑かったですが、どう見ても廃墟の中の温泉でした。
外の温泉はぬるくて、雨水のようでした。
ぬるいだけではありません。
屋根は半分壊れていますし、葉っぱなどで汚れています。
どう考えても廃墟になった温泉を狸が化かして人間を呼び入れたという感じです。
その環境でも一番良かった温泉の写真をアップしておきますが、私でさえも入浴できなかった温泉もありました。
どう考えても狸に騙された気がします。
帰りは私だけ電車で帰りました。
それも普通の電車なので、行きと同じく4時間かかりました。
上田さんは不思議な人です。
同行した遊民たちはさらに不思議な人です。
しかし、久しぶりに人間を感じながら2日間過ごせました。
上田さんには感謝です。
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