■節子への挽歌4451:悩ましい問題
節子
湯島のオフィスを改装する途中で節子は逝ってしまいました。
じゅうたんを敷きかえるところまでは節子が手配しましたが、壁紙を替えるところまではたどり着けませんでした。
仕上げのペンキ塗りなどは自分たちでしようと考えて、ペンキまで買っていたはずですが。
オフィスに限らず、節子は自宅もそのスタイルでやってきました。
不器用な私にはとてもできないことです。
したがって湯島は改装途中のままになっています。
コーヒーカップや椅子なども、節子がいなくなってからは全く更新されていません。
前はコーヒーカップもセットを選んでいましたが、いまはバラバラになってきてしまいました。
椅子もかなり傷んできました。
それを見かねて、サロン参加者の一人が昨年、寄付を申し出てくれました。
しかしいろいろ探したのですが、2人が納得できるものが見つからず、それに金額も40万円以上かかることがわかりました。
今までの一番高額な寄付の提供は30万円ですが、その時はそれなりに相手に役立つこともしていましたし、その人は会社の経営者でした。
しかし今回はまったく個人の、それも今は仕事をしていない人の純粋の寄付行為です。
サロンを快適に続ける場を守りたいというのが申し出てくれた人の思いです。
迷ったのですが、40万円はいささか負担なので、辞退していました。
ところが数日前に、その人から相談があるという連絡がありました。
椅子のことはまったく思いつかなかったのですが、何事かと思って、お会いしました。
そうしたら、最近、いい椅子を見つけたので、そしてそれを3年月賦で購入できるということが分かったので、寄付したいが良いだろうかというのです。
写真を見たらとてもいい椅子です。
しかし高そうなので、価格を訊きました。
1脚5万円だというのです。
つまり全部で60万円。
前に話していたのよりも高いのです。
少し考えさせてほしいと答えるのが精いっぱいでした。
さてどうするか。
60万円の椅子を寄付されるとそう簡単に湯島を閉じることもできません。
それにその椅子は手作りのようなので、湯島のサロンには高級すぐるかもしれません。
悩ましい話です。
せめて20万円くらいだと気楽にありがとうと言って受け入れられるのですが。
やはりまた辞退すべきかなという気がするのですが、湯島のサロンの意義を感じてぜひ寄付したいと言っている、その人の気持ちを考えると、迷うところです。
会社の社長や資産家の申し出なら、気楽に受け入れられるのですが、その人は3年間の月賦でなければ負担できない人なのです。
さてさて。
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