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2019/11/03

■節子への挽歌4445:彼岸と此岸をつなぐ河原

節子

今日は網野史観をテーマにしたサロンでした。
歴史の見方を変えれば、未来もまた変わってくる、というのが、今日の話題提供者の蔵原さんのメッセージでした。
全く同感で、私たちは過去に縛られた現在を生きています。
ですから未来もまた過去に縛られている。

私も学校教育などのおかげで、現在の統治者や常識が作った歴史の呪縛から自由になろうと意識してきましたが、最近はかなり自由になってきた気がします。

今日のサロンでは話題になりませんでしたが、網野義彦さんが画家の司修さんとつくった絵本に「河原にできた中世の町」というのがあります。
網野さんは、河原は人が住みにくいが、そこは彼岸と此岸をつなぐところで、人が定住しにくいところだったので(川が氾濫すれば家も流されます)、逆に「人びとが集まり,さまざまなことをしたり語り合ったりする広場でもあった」と書いています。
それを読んだ時に、湯島の部屋は私にとっての河原かもしれないと、思ったのです。

しかし、たぶん私は「河原者」にはなれないでしょう。
そこまで強くないですし、芸能や専門性には無縁ですから。
この頃、つくづく、自分の無粋さを実感します。

節子もたぶんにそうで、節子自身もそれに気づいていましたが、それでも私よりはずっと遊び心がありました。
いろんなことに誘ってくれたのは節子でした。
節子がいなくなってからは、コンサートや美術展にはほとんど行かなくなりました。
時々、ユカに誘われて出かけるくらいです。

それはともかく、彼岸と此岸をつなぐ場所はいろんなところにあります。
以前は、それを感じたこともありますが、最近はむしろ、どこもかしこも彼岸とつながっていると思えるようになってきました。
坂や洞窟がなくとも、世界は彼岸とつながっている、そう感ずるようになってきました。

網野史観はいろんなことを気づかせてくれます。

 

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