■BMSサロン「大型台風経験で思ったこと」報告
11月のBMSサロン(茶色の朝シリーズのサロン)は「大型台風経験で思ったこと」がテーマでした。
今回の台風のように、身近な災害を体験すると、国家の大切さや必要性への認識と同時に、現在の政治の問題点が見えてきます。
そしてそれこそが、国民の政治への関心を高める契機になると思っています。
政治は私たちの日々の生活の安全と安心に深くつながっているはずです。
テーマが生活に直結していることもあって、女性の参加連絡が多かったのですが、当日になって急に参加できなくなった人が多く、結果的にはやはり男性中心のサロンになってしまいました。
参加者も少なかったので、テーマから外れる話も多かったのですが、生活を語ることは政治を語ることでもあるというBMSサロンの趣旨に沿って、それも良しということにしました。
参加者は5人だったのですが、このくらいの人数だとゆっくり話せます。
ちょっと脱線が多かったですが。
テーマに関しては、次の2点が合意されたように思います。
まず、国民の「自己責任」を強調している現在の政府には、地球温暖化によって増えるだろう自然災害から国民の生活を守る政治はあまり期待できない、という諦め。
私はそれに加えて、みんなが「自己責任」などというのではなく、政府依存ではない、コミュニティ単位の「生活力」を高めるべきではないかと思います。
つまり、人のつながりを育てていくことです。
社会にとっての大切な資源(ソーシャル・キャピタル)は「人と人との信頼関係」という考え方が一時期、日本でも言われたことがありますが、実態はそれとは逆に「自己責任論」がまた戻ってきたように思います。
ソーシャル・キャピタルの視点から、社会のありようを考えることの大切さを、今回改めて実感しました。
そこで、年末か年始に「ソーシャル・キャピタル」をテーマにしたサロンを企画することにしました。
もうひとつは、自衛隊の日常的な主要任務を「戦争出動」ではなく「災害救助・復興支援」にしていくのがいい、ということ。
古代に大型古墳を造営したのは、そのために結集させられた多人数の集団は、有事には武器をもたせて戦闘集団に変えることができることが関係していたのではないか、と考古学者がある本に書いていました。
非常時には自衛戦争に立ち向かうとしても、日常的には災害防止や被災者救済を主目的にする組織に自衛隊を改組するというのは、こういう視点からも理にかなっています。
そうすれば、自衛隊も憲法に合致した存在になるでしょう。
「自衛」の対象は「他国」という時代は終わったように思います。
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