■BMSサロン「ローマ法王来日で思ったことを話し合いませんか」報告
ローマ法王の来日から10日ほどがたちましたが、このままだと忘れられてしまうのではないかと思い、湯島でのBMSサロンで法王来日で何を考えたのかの話し合いを持ちました。
参加者は私を入れて9人でした。
この活動を始めるきっかけになった本間さんも参加してくれました。
最初に、簡単にそれぞれの感想を話してもらい、話し合いになりました。
人それぞれで、いろいろな気付きをもらいました。
法王来日の報道記事をしっかりと読み込んで、そこから学んだことを紹介してくれる人もいましたし、いろんな気づきを私たちに与えてくれたという話もありました。
間違いなく、法王来日は日本に何かを残してくれました。
そればかりではなく、ローマ法王来日が決まって以来、いろんな人がいろんな活動に取り組んでいます。
たとえば、私の地元の我孫子市では毎年年末に平和の集いをやっていますが、今年はそこでモノオペラ「焼き場に立つ少年」を上演しました。
「焼き場に立つ少年」は、今回の法王来日で改めて注目された写真です。
サロンでは、実際にその集まりに参加した鈴木さんから紹介がありました。
こうした動きはたぶん日本各地で行われているのでしょう。
気をつけて報道に注意していれば、そうしたことに気づくでしょう。
本間さんの呼びかけもそうしたことの一つです。
しかし、にもかかわらず、法王来日はもう過去のニュースとして忘れられつつあるようにも思います。
来日前のさまざまな活動も個別で終わり、つながって大きな運動にならなかったことが残念です。
それはもしかしたら、やはりローマ法王来日はキリスト教世界のことと捉えている人が多いからかもしれません。
広島の友人が、こんなメールをくれました。
長崎・広島へローマ教皇が訪問され日本が『井の中の蛙』状態にあることを表明されたように私は受取りましたが、蛙の面に○○○○でしょうか。(*_*;
私もそんな気がしています。
話し合いではこんな意見も出ました。
戦争の時の核使用のヒロシマ、ナガサキと日常時の核事故のフクシマは違う。
法王が本当に核廃絶を願うならフクシマの現場にこそ行って、その現場映像を世界に発信してほしかった。
帰国時の飛行機の中での発言から、法王は日本に来て学んだと思う。しかし、私たちは学んだのだろうか。
20代の若者からは思いがけない発言がありました。
そもそもこの人(法王のこと)がおもしろくない(魅力を感じさせない)のであまり報道も見ていない。
アンデルセンの「裸の王様」を思い出しました。
若者にとっては、ローマ法王という言葉はなんの威力も発しないようでした。
いや逆にマイナスの価値しか持っていないのかもしれません。
核兵器と原子力発電は同じものかどうかの話も出ました。
「核時代」ということを私たちはもっと意識すべきだという本間さんの呼びかけを、私たちはしっかりと受け止めなければいけません。
「原子力の平和的利用」ということの欺瞞性にいち早く気づき、原子力時代に我々がものを考えなければ大変なことになると警告していたハイデッガーを思い出さなければいけません。
このテーマは来年、改めて取り上げていきたいと思います。
私は3つのことを感じました。
まず失望です。
法王も政治の枠の中でしか動けなかったのではないか。
なぜ「首相に会いながら核兵器禁止条約」への署名を働きかけなかったのか。
なぜ袴田さんに会わなかったのか。
そして、仏教関係も含めて、宗教団体の動きがなかったことにも失望しました。
しかし一番失望したのは、報道の姿勢です。
2つ目は不安です。
法王を迎える人たちのあの熱狂ぶりです。
いまの時代の宗教とはなんだろうかと、改めて興味を持ちました。
3つ目は、私には何の感動も起こらなかったということです。
フランシスコ法王はたしかに魅力的な人ですし、親しみを感じます。
その発言には共感もしました。
しかし、法王のスピーチを聞いても私の心身は動きませんでした。
シナリオに沿って演じているように思えてしまったのです。
であればこそ、法王のメッセージを受けとめて、できることをやっていかなくてはいけません。
そんなわけで、来年も時々、「核時代」や「宗教」を切り口に、こんな集まりを続けたいと思います。
引き続き参加いただけるとうれしいです。
本間さんの呼びかけメッセージを無駄にしたくはありませんから。
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