■中公新書の「持統天皇」が面白かったです
なかなか読めずにいた中公新書の「持統天皇」を今日、読みました。
私の持統天皇へのイメージは、最初は吉野裕子さんの「持統天皇」でつくられたためかとてもいい印象を持っていて、日本の歴史を大きく方向づけたのは持統天皇だと思っていました。
しかし、その後、いろいろと読んでいるうちに、どうもあまり好印象は持てなくなり、夫を裏切った女性という印象を持つに至りました。
しかし、瀧浪貞子さんの今回の本を読んで、また評価が変わりました。
やはり女性の視点と男性の視点で、評価が変わってくるようなきがします。
吉野さんも瀧浪さんも、持統天皇の気持ちに入り込んでいるような気がします。
私は男性なのですが、瀧浪さんの本に見事に変節させられ、持統天皇の生き方にもちょっと理解できる気がしてきました。
それはともかく、最近読んだ歴史関係の本では久しぶりに共感と発見と内容のあった本でした。
ところで、本書の中に「万葉集」に関する論考が20頁以上にわたって書かれています。
ここがとても面白い。
万葉集に関心のある方には、ぜひお薦めしたいです。
湯島では、令和騒ぎの前からまじめな万葉集サロンをやっていますが、次回は1月18日です。
テーマは「〈わ〉と〈な〉、そして〈た〉-共有される歌々」。
ちなみに、江戸時代に発見された金印は「漢委奴国王印(かんのわのなのこくおういん)」と刻まれていますが、万葉集サロンで升田さんが「委奴国」を「〈わ〉の〈な〉の国」とも読めると話してくれたことがあります。
今回も面白い話がいろいろと出てきそうです。
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