■CWSサロン「参加者それぞれにとっての居心地の良い場」報告
平日の午後の開催だったので、どれだけの人が集まるか心配でしたが、10人を上回る人が参加、関心の高さに驚きました。
最初にそれぞれにとっての「居心地の良い場」について話してもらいました。
最初に口火を切ったのが長年ひきこもりだったという人で、外の世界には「居心地の良い場」を見いだせなかったが、ある人の一言で価値観が反転し、いまは「共に成長していける場」が、自分にとっての「居心地の良い場」だと話してくれました。
つづいてさまざまな「居心地の良い場」が出されました。
「適度な拘束(ルール)があるほうがいい」
「自分の役割が見つけられるところ」
「一人になってボーっとできる場」
「自分をすべて出してもいいところ」
「自分を構える必要のない仲間たちといる時」
「自分が自分になれる場」
「自分の家にいるとき」
「気のおけない仲間がいること」
など、いろいろと「それぞれの居心地の良い場」が出されました。
「居心地の良い場」にはいくつかの要素があると坪田さんが整理してくれました。
「雰囲気」「テーマ」「仲間」、ほかにもあるのではないか、と。
「そこでの自分の役割」「楽であること」などもあるのではないかと意見が出ました。
コミュニティに関する議論もありましたが、逆にコミュニティというと、誰か(たとえば行政)が誰かのために作るもので、どこかで生活と離れてしまうのではないかという意見もありました。
居心地の良い場と快適とは違うのではないかという指摘もありました。
便利で安全であることと居心地とは別だということです。
快適さ(利便性や安全)を求めるあまり、私たちは居心地の悪い社会をつくってきているのかもしれません。
ほんの一部を紹介しましたが、コミュニティとか居場所を考えるさまざまな視点や要素が出されたように思います。
話し合いを聞いていて感じたことを3つだけ報告させてもらいます。
ひとつは「コミュニティは参加するものか、育てていくものか」ということです。
言い方を変えれば、「コミュニティと自分」の関係です。
コミュニティではなく、「居場所」についていえば、居心地の良さは、場所の問題なのか、自分の問題なのか、ということです。
よく「居場所がない」と言われ、「居場所づくり」が行政やNPOの課題になっていますが、場所をつくればいいという話なのか。
バーで出会って一緒に飲む仲間たちとの時間も「居心地の良い場」だが、それも「コミュニティ」と言えるのかという指摘もありましたが、「居心地の良い場」は「居心地の良い時」なのかもしれません。
もうひとつは「間」ということです。
「居心地の良い場」も「コミュニティ」も、時間と空間と人間が絡んでいますが、その3つにはなぜか「間」という文字がつかわれています。
言い方を変えれば、時と空(場)と人を「間」がつなげているともいえます。
ここからいろんなことが考えられるような気がします。
3つ目は「コミュニティ」の開放性と多層性ということです。
私たちはさまざまなつながりの中で生きていますが、いいかえれば「さまざまなコミュニティ」の中で生きているともいえるでしょう。
特定の「コミュニティ」に閉じこもってしまうと、ある意味での「居心地の良さ」を得ることができるでしょうが、逆にその「コミュニティ」に自らを合わせていくことにもなりかねません。
ストックホルム症候群(監禁事件などで被害者が加害者との間に心理的なつながりを築いてしまう)とまでは言いませんが、それと似たようなことが起こりかねません。
かつての日本の村落共同体や絆も、そうした危険性やマイナス面を持っていました。
「居心地の良さ」と「居心地の悪さ」は、ある意味でのコインの裏表です。
とすれば、特定のコミュニティに埋没するのではなく、さまざまなコミュニティにゆるやかにつながることで、自らが主役のコミュニティをそれぞれが育てていくという考えもあるように思います。
それとともに、コミュニティは開かれていることが大切ではないかと思います。
ところで今回のサロンで、湯島でやっているサロンのつながりにも改めて気づきました。
たとえば、前回の万葉集サロンでは「個人と社会の関係」が話題になりました。
「同化する多様性」と「せめぎ合う多様性」です。
そして次回は「アニマルコミュニケーション」のサロンですが、ここではペットとのコミュニティという問題があります。
話していくと、いろんな問題が絡み合っていることが見えてきます。
改めてそのことに気づかせてくれたサロンでした。
次回は勝手に、今回私が感じた感想を問題提起させていただくサロンを3月に開催させていただこうと思います。
日程が決まったら案内させてもらいます。
26日に予定している「アニマルコミュニケーション」ンサロンも、よかったらご参加ください。
居心地の良さやコミュニティにもつながっていうテーマですので。
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