■嘘つきに囲まれていると嘘つきになっていく
森友問題はどうも結局、国民受けのする茶番劇で終焉してしまいました。
いまや司法の独立性は、夢のまた夢といった感じです。
もはや日本は法治国家ではないことを私たちは認識しなければいけません。
事実が「現実」から引き離されて、誰かによって構築されてしまう。
まさに、いまの社会は、だれかが勝手に構築した嘘の上に成り立っている。
「判決は冤罪、日本は冤罪だらけです、不公平な司法」という、籠池さんの奥さんの姿に、ちょっと共感してしまいます。
国会での野党の追及は、一見するとそうした「つくられた現実」の虚構性を暴こうと頑張っているように見えますが、そもそも、相手が構築した「嘘の上」の現実を基盤にして取り組んでいますから、勝負は最初から決まっています。
いや、捉えようによっては、相手の嘘づくりに加担しているようにさえ見えてきます。
嘘は素直な目で見れば、おのずと見えてきますから、証明などする必要はありません。
その嘘の上に論理や批判を構築していたら、すでにもう嘘の世界で生きていることになってしまいます。
「王様は裸だ」と言えばいいだけの話です。
籠池さんの奥さんのように。
桜を見る会の話で言えば、安倍政権が嘘を言っているのはだれの目にも明らかでしょう。
あるいは森友問題でも行政文書が廃棄されたなどという話は、素直な目を持っていれば、誰にも明明白白としか言いようがない。
素直に考えたら、明確な話が、なぜか難しくなり、嘘を証明しなければいけないような、無法国家になってしまったような気がします。
しかし、多くの国民はそれに唯々諾々と従って、身を任せている。
心理学者のユングが、その著書でこう書いているそうです。
ローマ人はだれもが奴隷に囲まれていた。奴隷とその心理が古代のイタリアに氾濫していた。そして、ローマ人はだれもが、心のなかで、もちろん無意識にだが、奴隷となった。たえず奴隷の雰囲気のなかに生きていたから、無意識を通じて奴隷の心理に冒されたのであった。このような影響から自己を防衛できる人などいなかった。
まさに今の日本の社会はこうなってしまっているのではないか。
そんな気がしてしまうほどに、昨今の日本はおかしくなっているような気がします。
嘘だけはつくまい。
誰かの言葉や書物からではなく、自らの目や体験を大切にしていこうと、改めて思いなおしています。
新型コロナウイルス騒ぎにも、踊らされないようにしようと思います。
安倍首相を見習って、次々と同じような人が育っているのが恐ろしいです。
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