■節子への挽歌4532:我孫子市中里薬師堂の薬師三尊像
節子
近くの市民プラザで、我孫子市中里薬師堂の薬師三尊像と十二神将像の修復完成の記念展示会がありました。
その存在すら知らなかったのですが、先日、新聞で知って、見に行ってきました。
予想以上の素晴らしいものでした。
18世紀の作品のようですが、十二神将すべてが揃っているのも貴重です。
とても素朴な作りですが、色彩をほどこされた跡もあり、普段は薬師堂に並列して鎮座しているそうですが、今回は薬師三尊を守る形で立体的に置かれていました。
いつも薬師堂のお守りをしているという、中堂の諏訪神社の中野さんに少しお話をお聞きしました。
中野さんも、こんな形で拝むのは初めてだそうです。
薬師三尊と十二神将は明らかに作風が違いますが、それがまた全体の世界を豊かに感じさせてくれています。
薬師如来と脇侍をみくらべると、そこにもちょっと違和感がありますが、薬師如来もいかにも東国という感じで、親しみを感じます。
昨年、新相馬霊場めぐりをしたときには、中里薬師堂は含まれていなかったので、立ち寄りませんでしたが、こんな見事な像があったとは思ってもいませんでした。
調べたら、以前は真言宗豊山派の宝蔵院の薬師堂だったのだそうです。
節子がお世話になっている宝蔵院と同じ名前です。
明治時代に中里の宝蔵院は廃寺となりましたが、薬師堂は地域のお死者さん代わりになって大事に守られたのでしょう。
中野さんも、子ども時代は歯が痛くなるとここに快癒願いに来たと話していました。
歯医者さんなどなかったのだそうです。
見ていた飽きない感じでした。
一体ずつの仏像は、とても素朴で、私にはちょっと退屈でしたが、全部が並ぶと何やら不思議なパワーと雰囲気が生まれてきます。
先日まわってきた京都のお寺の仏像たちとは大違いですが、こちらの方がむしろ声が聞こえてきそうです。
節子が元気だったころ、滋賀の“かんのん道”沿いの観音めぐりをしました。
あの頃は本当にたくさんの仏たちに会いました。
みんな地元の人たちと一緒に生きているという感じでした。
今回見せてもらった仏たちも、中里の人たちと一緒に、長い時間を過ごしてきているのでしょう。
節子がいたら、ゆっくりと中里薬師堂に拝みに行ったかもしれません。
我孫子市にも、まだまだ仏たちがいるのです。
また新相馬霊場めぐりをしたくなりました。
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