■茶色の朝サロン(2020年2月)報告
2月の茶色の朝サロンは出入り自由の4時間に設定しましたが、9人が参加、半数以上の方が最初から最後まで4時間参加してくれました。
今回は、「新型コロナウイルス感染症問題から見えてくること」を一応のテーマにしましたが、議論はいろいろと広がりました。
今回のサロンから感じたことを一言で言えば、複数の参加者が指摘したように、日本はいま茶色一色の国家に向かっているのではないかということです。
今回の新型ウイルス騒動はそれを可視化してくれたように思います。
私自身は、「大本営発表」に従っていたかつての日本や国会議事堂放火後のドイツの社会は、こんな感じだったのではないかというような気がしています。
パンデミック議論もありましたが、これも言葉にだまされているような気もします。
パンデミックとは地域を超えた単なる大流行ではなく、全体や先行きが見えないために、人々が自己判断できなくなり、ちょっとしたことに過剰反応して右往左往し、社会から秩序志向がなくなってしまうことでしょう。
デミックの語源は“デモス”、つまり人々ですから、パンデミックはウイルスが起こすのではなく、人々が起こすわけです。
マスクが店頭からなくなり、一昨日あたりからトイレットペーパーなどまでも買占めされている有様は、まさにもうパンデミック現象が出始めているのかもしれません。
しかし、政府はなぜか事実把握さえにもあまり関心がないようです。
みんなの生活に直結している問題であるために、この騒ぎから政治のおかしさや問題がいろいろと指摘されました。
激しい怒りをぶつける人もいましたし、日本人の特性を解析してくれる人もいましたし、大騒ぎするような話ではないという私のような不謹慎な人もいました。
巷に流れている「新型コロナウイルス」生物兵器説や陰謀論も少し話題になりました。
もちろんオリンピックとの関係も話題になりました。
まあ、そんな話が、かなり具体的な話も含めて、話し合われました。
私は2つのことを感じました。
政府への信頼感が損なわれてきているとはいうものの、やはり私たちは政府の発表やマスコミ報道しか情報がないために、どうしてもそれを基準に考えてしまっているということです。
つまり、自分では気づかずに、「大本営発表」に基づいて考えているのではないかということです。
また、中国政府はうそを言うので信頼できないと言いながら、日本の政府は中国や韓国とは違うと思っている。
最近の日本政府が、数字を勝手に改竄してしまうことを体験したはずなのに、中国や韓国の政府とは違うとどこかで信じているのは不思議です。
政権批判をしながらも、自らきちんと考え責任を持って行動するのではなく、結局は政府の指示に依存し、みんなと同調してしまう生き方から抜け出せない。
重症になるまでは自宅で待っていましょうと言うような状況にさえ、素直に従ってしまうおかしさを改めて感じました。
この2週間が正念場というのもよくわかりませんが、なぜか信じてしまう。
私たちはみんな、いわゆる〈ぬるま湯の中のゆでガエル〉になってきているのではないかという不安を改めて感じました。
まあしかし、要するに私たち一人ひとりが免疫力を高め、こまめな手洗いを励行し、気をつけていくことが大切だ、というのが結論だったような気がします。
なにか肝心のことが報告されていない気がしますが。
ちなみに、3月1日には細菌学者の益田さんによる「なぜウイルスは感染症を起こすのか」のサロンがあります。
また3月末か4月上旬に、新型ウイルスに関する陰謀論や生物兵器説も含めて、ちょっと違った視点でのサロンを開催してもらうようにある人にお願いしています。
新型コロナウイルス感染症の一連の騒ぎから、とてもいろんなことが見えてきたことだけは間違いありません。
これをどう活かしていくかで、政治も経済も、そして私たちの生き方も、たぶん大きく変わっていくだろうことは間違いないような気がします。
さてどうなりますか。
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