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2020/02/17

■湯島サロン「外来生物が日本の自然に与える影響」報告

ハイパー・ナチュラリストの木村幸一郎さんの話は、自然への素朴な関心を忘れがちな現代人にとっては、いつも新しい発見があります。
今回のサロンを思い立ったのは、知人からパピルスをもらった時に地植えなどしないようにと注意されたのがきっかけでした。
外来種が問題になっているということは知っていましたが、しっかりと考えたこともなく、花屋さんにめずらしい植物があるとついつい買ってきてしまっていました。
パピルスは大好きなのですが、いつもうまく育てられていません。
そう言えば、わが家の最後の愛犬も外来種でした。

残念ながら新型ウイルスの流行で参加をやめた人もあって、参加者は5人と少なかったのですが、木村さんの話はいつものことながらわかりやすく、話も適度に脱線するので、とてもゆるやかで学びの多いサロンになりました。
しかし、宇宙のテーマにあれだけの人が集まったのに、私たちの身近な生物の話には、どうして人は集まらないのか、とちょっと不思議でした。

外来種とは何かという議論も、改めて考えてみるといろんなことを気づかせてくれます。
「他地域から人為的に持ち込まれた生物」というのがおおかたの理解でしょうが、「他地域」とはどこか、「人為的に」ではなくやって来た生物はどうなのか、など、考えていくといろんな問題にぶつかります。
さらに、生物たちは地域をどう捉えているのだろうか。
自らの生息範囲を広げるという捉え方をすれば、生物にとっては当然の行為ですが、人間であれば戦争が起こるかも知れません。
などと考えていくと、興味は際限なく広がっていきます。

木村さんは、外来種が引き起こす問題として、「捕食」「競合」「交雑」「感染」の4つをあげて説明してくれましたが、外来種がもたらすメリットも少なくありません。
そもそも「稲」も外来種ですから、外来種=悪と考えてはいけないという木村さんの話にはとても共感できます。
人工的に造ったビオトープには、そもそも外来種などという概念がない、と木村さんは言いましたが、まだ私自身、そのメッセージを十分に消化できていませんが、それも大きな気づきのひとつでした

私はどんな問題も、いつも自分の生き方につなげて考えてしまいますので、案内文にも書きましたが、私にとっては外来生物には人間も入りますし、ウイルスも入ります。

日本は島国なので、比較的、生態系が安定してしまい、異質なものへの脆弱性が生まれてしまうため、外来生物が入ってくると、生態系のバランスが崩れやすく、外来種に負けてしまうという話は面白かったです。
つまり「アウェイ」の場のほうが、侵入者にとっては活躍できるというわけです。
「ホーム」に安住していると、いわゆる“ゆでガエル”になりかねない。
もちろん事実はそんなに簡単ではないでしょうが、アウェイの場でこそ活動しやすいということを、いろんな問題(たとえば、引きこもり問題や居場所づくり、コミュニティ議論)につなげて考えると視野が広がります。
私には、目からうろこの気づきがいろいろありました。
世界の歴史は動物が媒介する感染症が大きな役割を果たしているという、ジャレド・ダイアモンドの話もでました。

木村さんは、外来種生物を写真を見せてくれながら、いろいろと解説してくれました。
その紹介をしだしたらきりがありませんが、またどこかで木村さんが講演をするときに、ぜひ聴きに行かれるといいです。
親子で聴くともっといいでしょう。
木村さん、公開型の講演会をするときには、ぜひ案内してください。

実は、私がどうしても4時に退席しないといけなかったので、話し合いの報告はできません。
土壌汚染の話や朱鷺の話、さらには脱成長経済の話まで広がったようですが、参加されたどなたかがフォローしていただけるとうれしいです。

生物の世界は、私たちの生き方と深くつながっています。
生物や自然への関心を高めていきたいと思います。
最近話題の新型コロナウイルスにもちょっと親近感が生まれます。

Gairaishu200215

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