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2020/04/10

■経済の健康と人の健康

日本ペンクラブは、7日に「緊急事態だからこそ、自由を」という声明を発表しました。
http://japanpen.or.jp/statement0407/?fbclid=IwAR1kfxnOmpld95Qw5o3bmb27Wu4xXNSQeGeA2Tv7AgJZBPCy5GihCor17zIそこには、「私たちの目の前にあるのは、命か自由かの選択ではない」と書かれています。
まだ読まれていない方は、ぜひお読みください。

ところで、新型ウイルス対策に関して、いつも感じていることは、「経済か人命か」という問いです。
現在の日本政府の基本姿勢は、経済を守ろうとしているように見えます。
それこそが人を守ることになると考えているのでしょう。
経済が破綻したら、人も危険になるという発想は、一昔前までには「常識」だったかもしれません。

しかし、果たしてそうでしょうか。
私は「経済を守るためにこそ、人の健康を」と思っています。

ちょっと古い本ですが、公衆衛生学の研究者であるデヴィッド・スタックラーさんとサイジェス・バスさんが書いた「The Body Economic」という本があります。
2013年に出版され、日本では翌年の2014年に「経済政策で人は死ぬか?」というタイトルで翻訳出版されています。
私が読んだのは、翻訳なのですが、原著の書名には「Why Austerity Kills」という恐ろしい副題がついています。

ふたりは、大恐慌やソ連の崩壊、金融危機などの世界的事例に関しての調査解析を踏まえて、公衆衛生の大切さを訴えていますが、そのひとつのメッセージは、「人の健康こそが経済の健康につながる」ということです。
経済が人の生活を守るのではなく、人が経済を支えているということです。
国際通貨基金(IMF)の経済復興策が、いかに経済を壊してきたかが、同書ではデータで示されています。

米国医師会会長だったウィリアム・ウェルナは、「健康への投資を安易に怠ると、国民の健康が全般的に悪化するだけではなく、いずれは高いつけとなって返ってきます。公衆衛生サービスヘの投資の見返りは経済的・社会的福祉水準の向上ですが、それが必ずや投資額を上回るものになることは、すでに明らかだと言っていいでしょう」と言っているそうです。

日本の医師不足に関しては、私は20年以上前に本田宏さんから教えてもらいました。
湯島のサロンでも話をしてもらったことがありますが、本田さんはその問題にずっと取り組んでいます。もし本田さんのメッセージに政府や医師会が耳を貸していたら、現在のような状況にはなっていなかったかもしれません。

新型ウイルス対策としては、休業補償や生活保障の資金的裏付けや財政の心配よりも、いまはまず、人命の損傷をどう最小化するか、を優先して考えるべきだはないかと思います。
そのためにも、休業補償や生活不安解消策として、すぐにでもすべての人たちに、バズーカ砲的なばらまき政策を展開したらと思います。
いらない人は返せばいい。
マスクの配送が始まるようですが、これもいらない人は返したり寄付したりするでしょうから、お金もそうしたらいいでしょう。
国会議員や官僚、あるいは大企業の正社員は返すでしょう。

私の娘の伴侶も、小さなレストランをやっていますが、収入がなくなる不安はともかく、感染を広げないために昨日からお店を閉じています。
何が一番大切かの基準さえぶれなければ、判断はできるはずです。
都知事が悪いとか、法的にどうだとか、そんなことよりも、現場で真剣に生きている人たちの健康を守るために、政治は大きな決断をしてほしいものです。
それは別に「緊急事態宣言」などしなくてもできるはずだと思いますが。

政治にとって大切なのは、優先順序です。

 

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