■土曜サロン報告
昨日の土曜サロンはご案内のように、「社会の正常化」をなんとなくのテーマにしたのですが、話が盛り上がりすぎて、1時間近くも延長になってしまいました。
参加者は私も含めて8人。
ここでいう「正常化」とは、「プラハの春」の後のチェコの正常化政策のことです。
共産党による一党独裁体制下のチェコスロバキアで、1968年に民主化の動きが成功し、「人間の顔をした社会主義」路線が宣言され、表現の自由や個人の尊厳の回復が図られますが、結局、ソ連の軍事介入により民主化は挫折し、再び独裁政府ができますが、その政府は社会の「正常化」を目指して「反民主化政策」を進めていくのです。
そこでは、「正常」かどうかは政府が決める、つまり反民主的体制こそが「正常」なのです。
最近のコロナ騒ぎで、私はこのプラハの春を思い出します。
オリンピックの話から始まりました。そこらどんどん広がり、マスクの裏表の見分け方から人類の未来まで、さまざまな話題が展開しました。
参加者のひとりが、わざわざ「新しい生活様式」のホームページサイトをコピーして持ってきてくれましたので、それも話題になりました。その人は、国民に新しい生活様式を押し付ける前に、政官自らが変わるべきだと付け加えましたが、みんな賛成でした。
「変えさせる」前に「変わる」という文化を大事にするのは、湯島のサロンの理念のひとつなので私も賛成です。
マスクを離さず、新しい生活様式を守ることが、「正常な生き方」「正常な社会」になってしまわないといいのですが。
コロナ感染症への不安に脅かされて、おかしな「正常化」が進まないことを祈ります。
ちなみに、その後、チェコは1989年、ビロード革命という無血革命で「正常」状態から脱し民主化を達成しました。そして価値判断基準を市民が取り戻したのです。
私たちは、取り戻せるでしょうか。
| 固定リンク
「サロン報告」カテゴリの記事
- ■湯島サロン「沖縄/南西諸島で急速に進むミサイル基地化」報告(2024.09.15)
- ■湯島サロン「秋の食養生」報告(2024.09.14)
- ■湯島サロン「サンティアゴ巡礼に行きました」報告(2024.09.06)
- ■湯島サロン「『社会心理学講義』を読み解く②」報告(2024.09.03)
- ■近藤サロン②「ドーキンスの道具箱から人間社会の背後にある駆動原理を考える」報告(2024.08.29)
コメント