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2020/06/14

■土曜サロン報告

昨日の土曜サロンはご案内のように、「社会の正常化」をなんとなくのテーマにしたのですが、話が盛り上がりすぎて、1時間近くも延長になってしまいました。
参加者は私も含めて8人。

ここでいう「正常化」とは、「プラハの春」の後のチェコの正常化政策のことです。
共産党による一党独裁体制下のチェコスロバキアで、1968年に民主化の動きが成功し、「人間の顔をした社会主義」路線が宣言され、表現の自由や個人の尊厳の回復が図られますが、結局、ソ連の軍事介入により民主化は挫折し、再び独裁政府ができますが、その政府は社会の「正常化」を目指して「反民主化政策」を進めていくのです。
そこでは、「正常」かどうかは政府が決める、つまり反民主的体制こそが「正常」なのです。

最近のコロナ騒ぎで、私はこのプラハの春を思い出します。

オリンピックの話から始まりました。そこらどんどん広がり、マスクの裏表の見分け方から人類の未来まで、さまざまな話題が展開しました。
参加者のひとりが、わざわざ「新しい生活様式」のホームページサイトをコピーして持ってきてくれましたので、それも話題になりました。その人は、国民に新しい生活様式を押し付ける前に、政官自らが変わるべきだと付け加えましたが、みんな賛成でした。
「変えさせる」前に「変わる」という文化を大事にするのは、湯島のサロンの理念のひとつなので私も賛成です。

マスクを離さず、新しい生活様式を守ることが、「正常な生き方」「正常な社会」になってしまわないといいのですが。
コロナ感染症への不安に脅かされて、おかしな「正常化」が進まないことを祈ります。

ちなみに、その後、チェコは1989年、ビロード革命という無血革命で「正常」状態から脱し民主化を達成しました。そして価値判断基準を市民が取り戻したのです。
私たちは、取り戻せるでしょうか。

 

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