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2020/07/03

■節子への挽歌4674:なぜ嘘をつくのか

節子

知らない人から携帯に電話がかかってきました。
いつもは出ないのですが、不吉な予感がして、電話に出ました。

予感は当たりました。
病院の医師から、先週見舞いに行った友人が昨日緊急入院したというのです。
昨日電話で病院で点滴してもらったらと伝えたところだったのですが、どうも点滴のまま、入院になったようです。

医師が言うには、癌がかなり進行しているようです。
本人から聞いていた話とは全く違っていました。

友人からは癌のほうは収まっているが他の部署にいろんな弊害が起きてきていると聞いていたのです。
私もどうも様子がおかしいので、来週、彼と一緒に病院に行こうとしていたのですが、間に合わなかったようです。

なぜ友人は嘘をついていたのか。
なぜ私はそれを見抜けなかったのか。
悔やまれます。

午後の予定をすべてキャンセルして、病院に行きました。
詳しい説明を受けました。
最後の延命手術などはどう考えますか、と訊かれました。
実は電話でもそう聞かれ、それで事態の緊急性を知って、飛んできたわけです。
彼には妹がいるのですが、なぜか私も選ばれてしまったのです。

いまはコロナウイルスの関係でお見舞いは禁止になっていますが、担当医がこれが最後になるかもしれないということで、特別に会えるように取り計らってくれました。
私だけで会いました。

会ってみると、意外と元気そうでした。
もう家には戻れないかもしれない、修と会うのもこれが最後かな、覚悟はできた、と言いました。
しかし、笑いながらなので、たぶんまだ完全には受け入れていないでしょう。

彼がなぜ嘘をついたのか。
医師は、嘘ではなく、私(医師)の説明を受け止められなかったのかもしれないと言いました。友人にとっては、癌は安定していると思い込みたかったために、理解しなかったのではないかと話してくれました。

家に戻ることを目標にして、明るく過ごすのが最高の治療法だと私も伝えました。
奇跡が起こるかもしれません。
起こるはずのない時に起こるのが奇跡ですから。

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