■第1回益田サロン「病原体から考える生物と環境の関係」報告
病原体やウイルスの話をベースにした細菌学者の益田昭吾さんの定期的なサロンが始まりました。
1回目は、「生物と環境」をテーマに、参加者の問いかけに応ずる形で、話し合いが行われました。
サロンは、どうして益田さんは細菌学を専攻したのかという、いかにも湯島サロン的な質問から始まりましたが、話が進むうちに、細菌、ウイルス、ファージ、宿主、抗体、免疫などという専門用語も増えてきて、ついていくのが大変でした。それでもどんな質問でも、繰り返しの質問でもいいという益田さんの誘いかけで、テーマの難しさとは裏腹に、とてもカジュアルなサロンになったような気がします。
テーマに関しては、あらゆる生物は、環境へのパラサイト(寄生体)であるという、まさに核心を突く話から始まりました。
問題は、生物と環境との関係性です。
そして、細菌やウイルスの「常在性」や「病原性」について、主にジフテリア菌を材料に詳しく解説してくれました。
もしかしたら、このことこそが、いま話題の新型コロナを考える時にもポイントのひとつかもしれません。
基本的な話につなげながら、最近の新型コロナウイルス感染症の話もでました。
ウイルスや免疫などに関する基礎的な知識があるかどうかで、コロナ騒ぎにもただ不安を感ずるだけではなく、対処法を考えるヒントが得られます。
いつも益田さんのサロンを聞いていて思うのは、そのことです。言葉や数や現象におびえるだけでは、自分で対策を考えることもできません。
最後に、参加者から、いまの新型コロナウイルスにどう付き合ったらいいかという質問がありました。
益田さんの回答は、万一感染しても症状を起こさないようにすることが大切だというものでした。そして、そのためには、自分と環境との流れに注意することだと言われました。自然の流れを阻害する「異物」があると症状が起こってしまう。ただし、その「異物」とは何かはいまはまだわからない。
それに加えて、益田さんは新型コロナウイルスが常在性の方向に向かっていく可能性にも言及しました。もしそうなれば、このウイルスとの付き合い方も変えていかねばいけません。
新しい知見が次々と出てきていますので、新型コロナウイルスへの付き合い方も変えていかなくてはいけません。そのためにも、感染者数の増減だけに振り回されずに、ウイルスのことをもっと理解しなければいけないといつもながらに思いました。
私は益田さんのサロンに毎回参加させてもらっているおかげで、新型コロナウイルスにはむしろ親近感を強めています。
ちなみに、サロンでは、いまの経済のおかしさや人間の欲望の話、生命体の持つバランス維持機能(ホメオスタシス)、さらには人類のミューテーション(変異)というような話もちょっぴり出ました。
サロンをやると、次々と新しいテーマが出てきます。
2回目の益田サロンは「母性と父性」はどうかという提案も益田さんからありましたが、いずれにしても基軸には細菌学や病原体をベースにしながら、同時に今問題になっている新型コロナとの付き合い方を考えるサロンとして、1か月おきくらいに開始していく予定です。
こんな切り口での話を聞きたいという方がいたら、ご連絡ください。
益田さんと相談させてもらうようにします。
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