■湯島サロン「21歳の私が今考えていること」報告
「若者からのメッセージ」サロンの2回目は21歳の安藤令奈さんにお願いしました。
彼女からのメッセージタイトルは、「共創の渦を興し、地域からよりよい社会へ 〜コミュニティについて考える〜」。
そのためにまず彼女が仲間と取り組んでいるのが、人々が「人間らしく」生きる「間」(メディア)の創出です。
参加者には事前に安藤さんからのメッセージを読んでもらっていましたが、最初に安藤さんから改めてそのエッセンスを話してもらいました。
愛媛で育った安藤さんは、東京に憧れて、東京の大学に入学。しかし、人や情報、ものが溢れている東京での大学生活に疲労や挫折を感じて、米国に留学。そこで、改めて自らを取り戻すとともに、故郷の良さに改めて気がついたといいます。
そして、改めて「人間らしさ」とは何か、人が生きるコミュニティとは何か、に関心が向かい、自分のミッションを考えながら実践に取り組みだしています。
そして、いま取り組んでいることを具体的に紹介しながら、安藤さんがいま大事にしていることや考えを参加者と対話しながら話してくれました。
たとえば、地方と学生をクリエイティブに活かす「間」(メディア)の創出が、安藤さんがいま取り組んでいる活動のひとつですが、これまでのような同質の世界でのバラバラの活動ではなく、異質な世界をつないでいく「間」に安藤さんは注目しています。
「間」は、人と人、人と自然、あるいは過去と未来を関係づけながら、豊かな価値を創発させていくものであり、単なる「つながり」とは違ってもっとダイナミズムを持ったものをイメージしているようです。
参加していた同世代の若者が、「間」という概念には、「つながり」とは違うものを感ずると話してくれましたが、たしかに「つながり」には「絆」ほどではないですが、拘束性や保守性が感じられます。
一時期話題になった複雑性の科学では、関係が生みだすダイナミズムが新しい世界観を生みだしましたが、「間」にはそういう創造性や発展性が込められています。
また、安藤さんは、「間」を「メディア」とも言い換えていますが、安藤さんが目指すメディアは、情報の伝達ではなく、情報の創発に意味を与えているようにも感じました。一時期流行したマクルーハンの「メディアはメッセージ」よりも「メディアはマッサージ」に力点が置かれているようにも感じました。
コミュニティやメディアに関する発言を聞いていて、世代によって捉え方が違うことも感じましたが、同時に若い世代はどうしても既存の言葉(概念)を使うので、言葉に毒されてしまう危険性も感じました。
安藤さんのメッセージは多くの参加者には好意的に受け取られたようです。
若い世代が話すサロンへの参加者がいつも多いのも興味のある事実ですが、世代を超えて「生き方」を話し合う「場」がもっと増えていくといいなと今回も思いました。
しかし、前回もそうでしたが、世代を超えた話し合いはそう簡単ではないこともまた、実感しました。
3回目の話し手を引き受けてくれる人はいないでしょうか。
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