■節子への挽歌4771:怠惰中毒
節子
わが家がどんどん壊されてきています。
節子がこだわって作った和室の床の間もなくなりました。
わが家から和室はなくなってしまいました。
一昨日から1階の改造も始まりました。
生活しながらの改築なのでそれなりに大変です。
私の居場所だった小さな書斎は完全になくなっていますし、書庫も亡くなり、私の寝室はいまやそこから搬入された荷物であふれています。
そのため私は、いまは1階で生活していて、眠るときだけ2階のベッドで寝ています。
しかし、その1階もいよいよ工事が始まったのです。
リビングは足の踏み場もない有様で、私はダイニングの片隅に机を持ってきてパソコンをやっています。この場所は、節子のパソコンがあったところです。
身体を動かすことが少なくなったのですが、幸いに毎朝のテレビ体操のおかげで、腰痛は避けられています。しかし、足が弱ってきているのは間違いありません。外出しなくても、1階と2階との往来はかなり足を使いますので、それなりに良かったのですが、いまは1階に座りっぱなしです。足が弱くなるのは避けられません。
ダイニングに閉じ込められるとやることは2つしかありません。
テレビを見るか何かを食べるか。
おかげでまた太りだしていますし、眼が疲れます。
しかし一番の問題は、どんどん精神的に怠惰になることです。
困ったものです。
友人から送られてきた新著、知人がわざわざ自宅まで届けてくれた資料。いずれも目を通す気になれません。
ソファに座って、駄菓子を食べながら、ドラマや映画をテレビで見ていると1日が過ぎてしまう。
生きている実感は得られず、むしろなんとなく後悔の念にかられますが、しかしこうした怠惰な死活に慣れてしまうと、なかなか抜け出せません。
薬物依存やアルコール中毒と違い、さほどの問題は起こさないような気もします、考えようによっては、これは恐ろしい病魔かもしれません。
新型コロナウイルス騒ぎで、こうした怠惰中毒に陥ってしまった人がいないといいのですが。
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