■湯島サロン「歴史の分岐点になる米大統領選の読み方」報告
今春開催した中嶋一統さんの「陰謀論」を切り口にした現代を読み解くサロンの続編です。今回は特に、11月の米国大統領選の行方とその後をテーマに中嶋さんに話してもらいました。参加者が少なかったおかげで参加者の個々の関心にも焦点を当てながら話しあえるサロンになりました。
最初の話題は参加者からの問いかけでした。
最近発生した韓国政府職員の射殺・火葬事件に関して、北朝鮮の金正恩が韓国に謝罪したことの背景には何があるのか、という問いかけでした。
中嶋さんは今回、その話題は予定されてはいなかったのですが、「この世のすべてのものはつながっている」というのが陰謀論の基本原則ですから、当然のように話は盛り上がりました。
その話題が一段落した後で、これまでの陰謀論サロンでの中嶋さんの予測通りに世界が動いていることを確認したうえで、米国大統領選の話題になりました。
もっとも大統領選の結果を占うことが目的ではなく、そこに象徴されている世界の大きな流れを整理する仮説軸を得ることで、よくわからない世界の複雑な事象をつなげていって自分の世界観を仮設する示唆を得るのが今回のサロンの主旨です。
中嶋さんの解説によると、世界はDS(ディープステート)陣営とそれに抗って流れを変えようとしている力(アンチDS)との対立構造の中で動いています。
ディープステート論は最近は「世界陰謀論」と結びつけられていますが、現実には表面的な政府と実質的な政府という意味での現実的な捉え方で、たとえば最近の日本でも鳩山内閣の時にそれが明確に見えてしまったことがあります。
今回のテーマである米国大統領選に関していえば、その根底にあるのは、DSとそれに抗うトランプ陣営の覇権争いということになります。
中嶋さんはそれを世界陰謀論のみならず、新型コロナウイルス感染症につなげて考えています。新型コロナを人為的に流行させたという陰謀の真偽はともかく、現実の事象を活かして世界を動かすというのは「政治」そのものの話ですから、程度の差はあれ、そこに「意図」が働くことは否定できません。それを「陰謀」と呼ぶかどうかは別として。
日本の柳条湖事件や米国のトンキン湾事件のように、時間が経過して露呈された陰謀の例は少なくありません。すべてが明々白々にならない世界の動きには、内容はともかく、何らかの「陰謀」は存在します。明白になった事実(与えられた事実情報)だけで世界は構成されているわけではないからです。しかし、○か×かの二択で判断することに慣れている人たちは、肯定か否定かはともかく、ほとんどが陰謀論の呪縛に囚われているような気がします。私には〇派も×派も同じように思えます。
いずれにしろ、そうした「陰謀」の真偽は、それこそ藪の中ですが、頭から否定するか、信じ込むかのいずれもが、「陰謀論」の罠にはまったことになるでしょう。
今回、中嶋さんは、陰謀論の枠組みを踏まえて米国大統領選はアンチDSのトランプが当選し、そこから「新しい歴史」が始まりだすと大胆に予測しました。現在の「パンデミック計画」にはDSの意図が働いていて、それが失敗するという予測からの結論です。
新しい歴史とは、たとえば、「9.11事件の真実」や「新型コロナにまつわる意図的な操作」が明らかにされ、その結果、世界の通貨と金融機構の革新が進み、DSの戦略とは違った新たな地球再生計画に取り組む動きが出てくるというビジョンです。
DSかアンチDSかはともかく、結局は「新しい世界」も管理された世界で、私のような生活者には「相変わらずの世界」のように思えて、あんまり希望は持てませんが。
ここまでくると、いささか世界陰謀論の術中にはまってしまっているような気がしますが、思考を柔軟にする頭の体操という意味で、また話を楽しみ会話を広げるという意味でも、刺激的で、サロンはますます盛り上がりました。
陰謀論は疑いを出発点としています。マスコミ情報や政府情報だけで世界を見るのではなく、懐疑的に情報をとらえ、視野を広げるという意味があります。しかし、陰謀論は、わかりにくい現実をわかりやすい物語に置き換え、世界を理解した気にさせてしまい、逆に思考を狭めてしまう恐れもあります。両刃の剣と言っていいでしょう。
そこに、湯島のサロンで「陰謀論」をテーマにする意味を感じていますが、なかなかそういう方向に議論は向かいません。すでにみんな「陰謀論」に巻き込まれてしまっているのかもしれません。
さてさて、このシリーズはどう展開するか。今回のサロン参加者からは、米国大統領選後にもう一度やってほしいという声がありましたが。
ちなみに今回参加された一人の方は、最近仕事が忙しくて睡眠不足だと言って、サロンの間、ずっとソファで寝ていました。こういうサロン参加の仕方もあることを思い出しました。話し合っている横で誰かが寝ている。ちょっといいですね。
中嶋さんの話の内容を要約するのは私には無理なので省略してしまいました。
中嶋さんの話を聞きたい方は中嶋さんに連絡を取ってください。中嶋さんはサロンにも30冊ほどの書籍を持ち込んできましたが、中嶋さんの頭の中にはさまざまな「陰謀論」の情報があるようですので。
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