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2020/11/09

■第4回益田サロン「比喩と理解」報告

細菌学者の益田昭吾さんによる連続サロン4回目のテーマは「比喩と理解」。
益田サロン初参加の方も2人いました。

Hiyusalon

まずは今回の基本命題「○○は××のようなものである」の話から始まりました。
人は新しい物や事(○○)に出会った時に、これまでの自らの生活体験の中で出会った物や事(××)を拠り所にして、その新しい物や事を理解し、世界を広げていく。

益田さんは、××を「原体験」と表現しましたが、これがとても大切なポイントです。
××は、文字や映像などからの、いわば「記号」的な知識ではなく、自らの体験によって獲得した「リアル」なものでなければならない。それが「理解」のポイントなのです。

話のポイントはこれだけなのですが、これから様々な話に広がりました。
シンパシーとエンパシー。学びと真似び。知識と知恵。近似と対比。
y=f(x)と「ような」の違い。
そこから近代と複雑系の話。コピペの話も出ました。
万葉集サロンの升田さんも参加していたので、万葉集の話も出ましたし、今度サロンを予定している身体知の話も出ました。

情報社会と言われる現在は、理解されないままに、言葉だけの知識が広がっているだけなのかもしれません。
そこからいろいろなことが見えるような気がします。

私たちは、新しいことに出会った時に、知識として受けとめるのではなく、理解して自分の世界のものにしていくことをもっと心がけないと、どんどん自分の××がなくなってしまい、平板で退屈な社会になってしまっていくような気がします。
コピペの知識で充たされた世界ではなく、生活体験に基づく理解された世界の中でこそ、人は自らの生き方を豊かにしていけるのではないかと思います。

いろいろと考えさせられるサロンでした。
次回の益田さんのサロンは、「予防接種」をテーマにする予定です。

 

 

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