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2020/12/03

■節子への挽歌4834:柳田邦夫さんの思い出

柳田邦夫さんのインタビュー記事を読んで思い出したことがあります。

以前、もう30年以上前のことですが、柳田さんの取材を受けたことがあります。
まだ会社にいたころの話ですが、私が取り組んでいたプロジェクトに関連して、社長が取材を受けることになり、私も同席させてもらいました。
取材は無事終わったのですが、終わって職場に戻ると、柳田さんから電話が来ました。
名刺交換していたので私の電話番号がわかっていたのです。
会社近くの喫茶店にいるので、会いたいという電話でした。

当時はまだ会社は自由な雰囲気があり、私は毎日のように、勤務時間内にも1度か2度は近くの喫茶店で過ごしていましたので、何の抵抗もなく、出かけていきました。
そこで2時間近く話し合いました。
柳田さんの取材姿勢に感動しました。
実に丁寧に、そして誠実に、ディテールをついてくる。

私はもちろん当時も柳田さんの著作はそれなりに読んでいました。
他のノンフィクションライターとは違うとは思っていましたが、その理由がわかったような気がしました。
以来、ノンフィクションという作品を見る目が少し変わった気がします。
取材の後も、ていねいな礼状が届きました。
当時私も取材はそれなりに受けていましたが、通り一遍の令状は来るものの、人柄を感じさせる令状は初めてでした。

その時の取材内容は、柳田さんの著作に書かれています。
社長の発言よりも私の発言が実名で書かれている。
実名が出るのは、組織人の場合、あまり喜ばしいことではありませんが、事実を正確に伝えるのであれば、社長よりも私の発言のほうが正確なことは言うまでもありません。
建前の報告であれば、社長に言葉のほうが効果的ですが、現場の実態は社長にはわかるはずがない。
どこを見て取材しているかが、そこにはっきりと表れます。

私が柳田さんと会ったのは、その時だけです。
柳田さんの作品はそれなりに読ませてもらっていますが、あの取材のときに柳田さんのイメージがあるので、言葉の一つ一つが、いつも私には生き生きと伝わってくるのです。

 

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