■湯島サロン「2020年を振り返る-新型コロナが問いかけたこと」報告
今年最後のテーマサロンは、サロン常連の一人でもある、若いデザイナーの林さんによる「2020年を振り返る」でした。
林さんは、まず月ごとに、林さん自身が気になった事象や事件を時系列で説明してくれた後、林さんや林さんの家族に起こった生活の変化を紹介してくれました。
それに対して参加者もまた勝手なコメントや反応をするというスタイルで、1年を振り返りましたが、参加者の反応もまた私にはとても興味深いものでした。
私が全く知らなかったこともあり、人はそれぞれ違う世界で生きていることを思い知らされましたが、にもかかわらずに、大きなところでは同じ時代を生きているのだということも実感できました。
私にとっては、1年を振り返るサロンになったばかりか、改めて時代の大きな分岐点にあることを認識できた、1年を総括するいいサロンでした。
このスタイルのサロンを、毎年年末に行いたくなりました。
サロンで話してくれた林さんも、発表のための年表づくりで気づいたことも多く、来年もまたやりたいと言ってくれていますので、実現するでしょう。
それにしても、今年の話題は圧倒的に新型コロナにつながるものが多くて、それ以外のことが見えなくなってしまっているのかもしれません。
コロナと言っても「病気」の話だけではなく、むしろそれが引き起こしている悲喜劇があまりにインパクトが強く、しかもわかりやすいのです。人間の本性や社会の実相が生々しく伝わってきます。
参加者のお一人が、最近、東京から脱出する人が増えている、自分も千葉県の外房に住む場所を用意し、来年から二拠点生活だと話してくれました。
たしかに私の周りでも、そういう人が出始めていて、いよいよ時代の流れが変わりだすかという思いも持てるようになってきました。
また新型コロナに感染したイギリスのジョンソン首相が、退院した時に、「社会はあった」と発言したことを林さんはとりあげていましたが、サッチャー首相が「社会はない」といって始まった新自由主義経済も、反転しだすとなると、コロナ様様ともいえるかもしれません
発表者の林さんと参加者の釈源光さんが、アガンベンやジジェクの、いささか過激な本を持参していたこともあって、時代が大きく変わるかもしれないという話も出ました。
まだ相変わらずの路線の上での「新しい生活様式」が話題になっていますが、もっと大きな「新しい生活」が始まりだそうとしているのかもしれません。
非常に印象的だったのは、新型コロナのおかげで、なぜか元気になったという人が少なくとも3人はいたことです。
私自身もとても生きやすくなり、これまでなかなか通じなかった企業の人たちとも話が通ずるようになった実感がありますので、住みやすい時代に向かいそうだという感じがあるのですが、どうやらそういう思いを持っているのは私だけではないことを知りました。
個人の視点で1年の事象や事件を振り返ってもらうと、その人のいろんなことがわかってきますが、それと同時に、自分の関心の偏りにも気づかされます。時代に流されないための、新しいサロンのスタイルがちょっと見えてきた気もします。
毎月やってもいいかもしれません。
今年は、たくさんのサロンを開催させてもらいました。
ありがとうございました。
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