■自然の力の偉大さと信仰の大切さ
先日、紹介したアレッソロ・マンゾーニの「いいなづけ」を昨日と今日とで読み終えました。800頁を超える大長編をまともに読んでいたら1週間近くかかりそうでしたので、読み方を工夫しました。
詳細な目次があるので、まずはそれを読んで流れをつかみ、結局、1章と8章と31章から最後までです。ページ数にしたら200ページほどですので、1/4ということになりますが、その間は挿絵を見ながら頁を繰ったので流れはだいたいわかりました。
それは小説の読み方ではないだろうと言われそうですが、私の関心事は、ミラノにおけるペストの状況を知りたかったのです。
あわせて、この小説がなぜイタリア国民の必読書になっているのかの理由も知りたかったのですが、それも少しわかったような気がします。
全編を通して、マリア信仰と性善説と明るさが覆っているのです。
それに権力者への批判も含まれた勧善懲悪のハッピーエンドです。
まあそれはともかく、意外なことに出合いました。
ミラノでペストについての噂が立った当初から、ペスト説を否定するドン・フェルランテという人が登場しますが、彼の考えが長々と紹介されています。それが面白い。
彼は、伝染病は存在せず単なる妄想上の怪物でしかないというのです。
そしてその妄想を引き起こした理由として、土星と木星の運命的なる接近こそがその真因だと主張するのです。
先月、400年ぶりに木星と土星の接近が話題になりました。
私も見ましたが、400年前と言われた前回が、なんとこの小説で語られているミラノのペスト流行の「真因」だったとは驚きです。
そんな些末なところに関心するようでは、笑われそうですが。
しかし、COVID-19の流行も、木星と土星の接近のためだったのかもしれません。
もちろんその背後には、大きな自然の摂理があるのです。
ちなみにこの木星土星接近説のドン・フェルランテさんは、とりわけ予防策をしなかったので、ペストに罹って死んでしまいます。
信仰がたりなかったのでしょう。
やはり信仰は大切です。
自然の力の偉大さと信仰の大切さ。それが私の読後感です。
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