■湯島サロン「スマホ5G時代のSNSの効果的な活用法」報告
ソーシャルメディアマーケティング代表の菅野弘達さんによる「スマホ5G時代のSNSの効果的な活用法」にはたくさんの参加者があり、関心の高さを改めて感じました。
この分野にはかなり詳しく一家言お持ちの方も少なくなかったのと、話の区切れごとに、菅野さんが話し合いのセッションをつくってくれたので、とてもいい話し合いもできました。
菅野さんの話は、ダグラス・エンゲルバードとアラン・ケイから始まりました。
いずれも私のような世代には懐かしい名前ですが、現在世界を覆っているSNSは、この2人から始まったともいえます。
エンゲルバードは1968年の伝説のプレゼンテーションで、「意識的な共生と進化により知の和を高める」というビジョンメッセージを発していたそうですが、まさに今、それが実現しつつあるわけです。
菅野さんは2人を日本に招聘して行ったイベントの話もしてくれましたが、どうもその時に託された宿題に、その後菅野さんはずっと取り組んでいるようです。
しかし日本のSNSリテラシーはなかなか向上しない。
そうした危機感を踏まえて、菅野さん自ら最近はSNSマーケティングの分野に積極的にかかわりだしているのでしょう。
今回は菅野さんがかかわった成功事例をいくつか紹介してくれました
SNSを効果的に使うことで、事業の進め方が全く変わり、しかも事業そのものが楽しくなってきたという話はとても説得力がありました。
進め方というよりも、たぶん事業というものの意味が変わったのです。
それはとりもなおさず、そこにかかわった人たちの生き方や働き方、あるいは社会のあり方を変えていきます。
もうこれまでのような「雇用関係」や「労働概念」「事業概念」ではとらえられないような、新しい経済が始まりだしたと言ってもいいでしょう。
1960年代に日本でも「経済の民主化」ということが言われた時期がありますが、まさにその「経済の民主化」が現実的に始まった。
私にはそう思える話がたくさん紹介された気がします。
今回は5GSNSによる「成功事例」の話が中心でしたが、その背後にはたくさんの失敗事例もあるでしょう。しかし技術の端境期においては、成功事例の方から学ぶことの方が大切だと感じました。そこに様々な示唆に富むメッセージがあるからです。
印象的だったのは、SNSマーケティングの成功のカギは、実直な継続や弱いつながりだと菅野さんが話したことです。技術を活かすのは、やはり極めて人間的な「実直さ」と「人のつながり」だということにとても納得し、安心しました。
今回は「活用策」でしたので技術的なことはあまり出てきませんでしたが、「ハイパーリンク」技術によって技術の位相が変わったという話がありました。私にはまさにコロンブスの卵のような話で、そこでネット技術の位相が転換したことに気づかせてもらいました。知の世界が変わったのです。5Gにも同じような位相変化がありそうです。この話はぜひもう少し深めたいと思いました。
ちなみに、5Gの人体などへの影響にも関心をお持ちの方がいましたが、これに関しては、改めてサロンを企画したいと思っています。話題提供や問題提起してもらえる人がいたらぜひご連絡ください。
今回のサロンの中心は、単なるSNS活用のノウハウというより、その根底にある思想の話でしたが、実践的なヒントもたくさんあったと思います。
事例はビジネスプロジェクトが多かったですが、まちづくりやNPO活動、あるいは教育や文化の分野でも、たくさんの活用策があることに気づかせてくれました。
逆にSNSリテラシーを高めないとGAFAに利用されてしまいそうです。
私はそれなりにSNSを活用している気がしていましたが、フェイスブックとLINEの意味の違いにさえ無頓着だった自分に気づかせてもらいました。
もっとSNSリテラシーを高めて、能動的に活用していこうと思います。
ただ湯島のサロンのオフライン方針はまだ維持する予定ですが。
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