■節子への挽歌4925:自分では気づかない病
節子
久しぶりに、節子もよく知っている新潟のKさんから電話がありました。
また雪だそうです。
別に用事はなかったのですが、最近どうも気分が晴れないのだそうです。
Kさんは私よりも年上ですが、数年前に生まれ育った新潟に転居されたのです。
最近よく昔のことを思い出すのだそうです。
Kさんと最初に出会ったのは、銀座の数寄屋橋のカレーライス屋さんでした。
友人の紹介で、古代ギリシア愛好会の会をつくりたがっている人がいるので手伝ってくれと言われて、Kさんともう一人Yさんと会ったのです。
話は一気にまとまり、パウサニアス・ジャパンという会を立ち上げました。
当時は毎月、湯島で古代ギリシアを話題にしたサロンをやっていました。
節子もときには参加し、みんなで「イリアス」の朗誦会をやったこともあります。
毎年、一人のギリシア研究者を選んでギリシアに1か月ほど派遣していました。
いまにして思えば懐かしい話です。
私は節子のがん再発がわかった時に退会し、そのあとを友人に頼みました。
Kさんを紹介してくださったMさんももう亡くなりました。
Mさんとの思い出もいろいろありますが、当時は実にいろんなプロジェクトにかかわらせてもらっていました。
あまりに偶然なのですが、節子と最後の海外旅行ツアーでイランに行ったとき、メンバーの中にMさんの秘書だった方がいました。
帰国後、彼女は湯島に来てくれて食事をご一緒しましたが、その方のはがきが、今朝、荷物を整理していたら出てきたのです。
偶然とはいえ、不思議な気がします。
いろんなことがつながっている。
Kさんはどうも精神的にかなり参っているようです。
そういう時には私に電話してくるのですが、長い電話の最後に、力をもらえましたと言ってくれました。
私と話すとKさんはいつも元気が出るそうです。
もっとも私自身もそう元気があるわけではありません。
フェイスブックの私の書き込みを読んだ人が、「佐藤様 少しお疲れではないですか?病は自分では気が付かない位に、静かにやって来ます。あまり無理なさらないで下さいね−」と書き込んでいました。
自分では気づかない病があるようです。
注意しないといけません。
Kさんも、そうかもしれませんが、決して他人事ではなさそうです。
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