■「思っていても言ってはいけない」のでしょうか?
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言は、ますます大きな話題になってきています。
それ自体に私は大きな違和感を持っています。
これはオリンピックを中止させたい人たちの陰謀だという説もあるようですが、前にも書いたように、何をいまさらというのが私の気持ちです。
森さんは日本初の「密室から生まれた首相」ですし、「オリンピックの精神」などもうとっくに失われていると思っているからです。
まあそれはそれとして、2つのことがますます気になってきています。
今日はまずひとつのことを書こうと思います。
昨夜も娘と話し合いましたが折り合いがつかなかったことです。
いろんな人がテレビで「思っていても言ってはいけない」というような発言をしています。これが私には非常に気になります。
素直な私は、その発言は「嘘を推奨する」発言に聞こえるのです。
従って、そう発言した人の発言には「思ってもいないことが含まれている」と思うので、そういう発言者は人として信頼できなくなってしまうのです。
「思っていても言ってはいけない」ということは「思っていても、それが問題になるような内容だったら言わずに隠せ」、つまり「本音は隠して嘘を言え」ということにつながっていく気がするのです。
娘に話したら、「思っていても言ってはいけない」ことはたくさんあるでしょう、そのどこが悪いのかと言われ、説得できず、そのあげくに、「だからお父さんはバカなんだよ」とまで言われました。
それこそ「思っていても言ってはいけない」ことではないかというのが社会の常識かもしれませんが、私の場合は、「思っていることは素直に言うのが誠実な生き方だ」と考えていますので、その言葉は素直に「誉め言葉」として受け止めました。
父親をバカだと言い切る娘は信頼できます。
みなさんはどう思われますか。
「思っていても言ってはいけない」のでしょうか。
そうではなくて、「言ってはいけないことは思ってもいけない」ですし、「思ったことはしっかりというべきだ」ではないでしょうか。
ところでもうひとつの気になることは、「女性だから・・・」という発言に対する否定的な意見です。そう言っている議員たちが昨日はみんな白い服で国会に出席していましたが、これこそ「女性だから・・・」という発言を支持しているように思います
言っていることとやっていることが違う。
これが現代の日本の「常識」なのでしょうか。
思っていることは「言葉」では隠せても行動には出るものなのです。
見え透いた嘘の蔓延する今の社会が、どうしても好きになれません。
私はこれからも「思っていることは素直に言う」生き方をしていきますが、自分が思っていることだけが正しいという思いは皆無ですので、その点は寛容に受け止めてもらえるとうれしいです。
でもまあ、時々、私の発言は友人を怒らせてしまっているようです。
困ったものですが。
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