■湯島サロン「Withコロナのニューノーマル、トカイナカ構想」報告
緊急事態宣言のなかでしたが、「上り電車から下り電車に乗り換えよう」という神山さんのサロンには、10人を超す参加者があり、議論も盛り上がりました。すでに自らもさまざまな実践に取り組んでいる人もいれば、これから取り組みたいと思っている人もいて、話し合いも盛り上がりました。
神山さんの話は、まず「いま“静かな革命”が起きている」という言葉で始まりました。
ペストの大流行がベートーベンからマーラーまでを生みだしたという、三枝成彰さんの発言も紹介しながら、今回のコロナパンデミックも新しい物語を生み出しつつあるというのです。
そして、日本でもすでに3.11から、そうした大きな革命は始まりだしていることを、実際のデータや具体的な実践活動などを紹介しながら説明してくれ、そういうことを踏まえて、いま神山さんが実際に取り組んでいるプロジェクト「トカイナカ構想」の話をしてくれました。
いま始まっている静かな革命を一言でいえば、「上り電車から下り電車への乗り換えが始まりだした」ということです。これまでの数十年は、幸せになるためにみんな上り電車に乗ろうとしていたが、下り電車に乗って幸せになる国づくりをしようという大きな波が広がっているのです。そうしたなかで自分はなにができるか。
その手始めに、神山さんは埼玉県ときがわ町に「ときがわトカイナカハウス」というシェアハウスをつくり、東京の人たちを迎え入れる活動をしているのです。そこに込められているのは、2拠点生活や仕事も複数(たとえばITと農業)という発想です。
この活動については、すでにサイトができていますのでそれをご覧ください。現在、仲間集めもしています。
https://tokainaka.jp/
なぜ「下り電車」なのか。
これまでの中央に権力を集中させた国づくりは成功したが、問題もいろいろと発生させてきた。今回のコロナ騒ぎは、そういう問題を可視化してくれたが、これを機会にこれまでの生き方や経済成長、ピラミッド構造発想を見直し、改めて「幸せ」を目指した国づくり考えよう。その象徴が、下り電車への乗り換えと2拠点生活(本業べったりではなく生活発想の複数の仕事)ではないか。神山さんはそう言うのです。
参加者はほぼみんな共感していたように思います。
2拠点生活に関心をもって参加された人もいました。私も30年ほど前に会社を辞めてマルチハビテーション生活を実践していたことがありますが、その時実感したのは、マルチハビテーションとはマルチテーマライフ、つまり住処ではなく生き方の問題だと実感しました。そしてそれが私の視野を広げ生き方を変えてきたと思いますが、2拠点生活は生き方を見直す契機になり、人生を豊かにしてくれるはずです。
神山さんはトカイナカハウスで、自然塾やさまざまな集まりをやっていますが、話し合いの場がいま全国各地で広がっています。コロナ騒ぎでリアルな場は制約が増えていますが、逆にオンラインの話し合いの場は急増しています。コロナが収まった後、おそらくリアルな話し合いの場は広がっていくでしょう。参加者の中には、そういう活動を考えている人もいましたが、そういう「話し合いの場」が社会を変えていくことにもつながるでしょう。
そうしたさまざまな話し合いの場が、神山さんたちの「トカイナカハウス」とつながっていくのも、面白い。ともかく、いろいろな意味で、いま社会は「革命」の可能性を高めていると言えるような気がします。
神山さんのメッセージを聞きながら、そんなことを改めて思っていました。
ただ、「上り電車生活」と「下り電車生活」とは全く思想が違うと思いますが、その違いについてはあまり議論できなかったのが残念でした。目指す「幸せ」の意味も変わっていくはずです。そうでなければせっかく乗り換えた意味がない。
もう少し時間があれば、もっと深められたと思いますが、この続編のサロンをまた企画したいと思います。同じような考えでニューノーマルな実践をしていて話題提供してもいいという方がいたら、ご連絡ください。
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