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2021/05/21

■見えないうちにどんどん社会に組み込まれていく不安

日本人の財政への無関心は、源泉徴収という納税方式に一因があると言われています。
たしかに自分で直接納税したという感覚よりも、徴税されるという感覚が強い人が多いかもしれません。
「節税」などという言葉が堂々と使われるのも、奇妙な話です。税は少なければ少ないほうがいいと多くの人は思っているわけです。私には理解できません。節電なら理解できるのですが。

もちろんそれは「税の納め方」だけのせいではないでしょう。
日本では「税とは何か」の議論も少ないように思います。
私には、そもそも「納税の義務」という概念も違和感があります。
国民主権の国家であれば、少なくとも「義務」ではなくて「責務」というべきです。
どこかにも書きましたが、国民主権国家の憲法に「国民の義務」などという言葉があるのは私には理解できません。でも疑問を持つ人は少ないようです。

国家という仕組みのおかげで、経済活動ができるので、そこから得た利益の一部を国家の仕組みを維持するために税として納めるというのが私の税の捉え方です。もしそうならば消費税の説明がつきません。
生きていくためには生活必需品を「消費」しなければいけませんが、それに課税されるというのでは、国民主権ではなく、支配者への貢ぎ物のような感じがしてなりません。
消費税と所得税は理念が全く違います。理念の違うものが、同じ「税」という言葉で一括されることが私には理解できません。
このあたりはもう少し詳しく書かないと理解してもらえないかもしれません。

自治会をやっているといろいろと社会の実相も見えてくるのですが、たとえば日赤や社会福祉協議会への寄付、あるいは赤い羽根共同募金など、自治会単位で一括行われるような傾向があることに気づきます。
こういうことは自治会の役員でもやらないと意識することはあまりないでしょう。

15年ほど前に会長をやった時には、社会福祉協議会への一括会費納入はおかしいのではないかという議論が少しありました。
あるいは赤い羽根の募金は、各戸に募金をお願いして回していました。
しかし今は私たちの自治会でも世帯当たり一定額を決めて、自治会費から一括振り込んでいます。誰もおかしいという人はいないようです。
もちろんそうした風潮に流されずに、個人単位で寄付などを呼びかけている自治会もありますが、その手間暇を考えると、とても大変ですし、時に人間関係をこじらせるようなことも起こらないとは限りません。だから一括納入方式が増えているはずです。

しかし、こういうやり方だと、いつの間にか寄付していること自体の意識がなくなってきます。まさに源泉徴収文化と同じです。そのため、寄付先の組織の経営や活動への関心は弱まっていきかねません。
こういう風潮は決してよくないのだと思いますが、それに抗って、異を唱える勇気は私にはありません。

これはほんの一例ですが、いくら偉そうなことを言っても、実際には時流に流されている自分によく出合います。やはり時流には克てないのでしょうか。
困ったものです。
いつの時代も、「智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」のでしょうか。

自治会の会長をやっていると、各世帯への回覧物が回ってきます。
それを見ていて感ずることも多いです。
あくまでも主観的な意見ですが、ほとんどが「無駄」としか思えません。
各世帯で取ってくださいと言っても結局、残って帰ってくることも少なくありません。
誰も読まないだろう立派な小冊子も少なくありません。
こういうものをつくることで活動をやっていると思うようになる恐れもないとは言えません。そういう印刷物を制作することで成り立っている会社もあります。
まさにグレーバーが指摘した「ブルシット・ジョブ」の多さに辟易します。

とまあ、こんなことを考えさせられることが多く、自治会会長はストレスの多い仕事です。
私は、毎月、会長報告という形で、全世帯に回覧させてもらうつもりです。できるだけこうしたことも意識してもらおうと思っていますが、あまり身勝手にやってしまうと次の会長に迷惑をかけかねません。

悩ましい話です。

 

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