■湯島サロン「私が考える理想国家」報告
「理想国家」と壮大なテーマだったせいか、参加者は少なかったのですが、逆にかなり真剣な議論が展開し、サロン終了後も全員、場所を移して、話し合いを延々と続けるという盛り上がりでした。
最初に、リンカーンクラブ代表の武田文彦さんから、いま取り組んでいる著書「指針-日本・第三革命論」(仮題)の構想、そこで目指している「理想国家」のビジョンの一部と実現のための具体的な課題の紹介があり、それを材料に自由な話し合いが行われました。
リンカーンクラブは「究極的民主主義」を標榜し、選挙だけでの民主主義ではなく、できるだけ国民一人ひとりが政策や行政にかかわっていけることを目指しています。
武田さんの構想している理想国家は、「国民一人ひとりが自立していて、不安から解放されている国家」です。そういう国家を実現するためには、国家体制を大きく変革しなければいけませんが、それを武田さんは「革命」と称しています。
ここでいう革命は、暴力的なものではなく、既存の選挙制度を通して行おうと言うのです。しかし、それは単なる政権交代ということではありません。現在の与党に代わった新しい政党が、国家体制(国家の仕組み)を国民主権へと大きく変えていかねばいけません。そうでなければ、10年前の民主党政権のように、政権与党は変わったものの国家体制には何の変化も起きずに単なる「権力闘争」に終わってしまいます。
そうならないためには、まさにこれからの日本の国家体制をどう変えていくかの「国家構想」や「統治指針」が重要になってくるとともに、国民一人ひとりの意識を変えていかねばいけません。そこにこそ意味がある。だから革命なのです。
当然、「政党」のあり方も変えていかねばいけませんが、武田さんはその具体的な方法を考えています。常識的な発想からは出てこないような奇策ではありますが。
国民主権国家の日本では、主権者の意識が変われば、国家のあり方も「革命的」に変わりうるのです。しかし、主権者の意識を変えるのは簡単ではありません。精神論や教育ではなく、私たちの発想や行動が変わっていくような仕組みが不可欠です。武田さんの構想の一つのポイントは、その仕組みづくりと言ってもいいでしょう。
国民に「変えるべき」だと思わせるのではなく、「変えたくなる」気持ちにさせる。
そうした「楽しい革命」が、武田さんの目指す「革命」のような気がします。
たとえば、そうした変化を引き起こす具体的な方策として、投票率を革命的に上昇させる仕組みや与党の暴走を止める「野党権」の制度化など、いくつかの提案もありました。
いずれも説得力があります。
話し合いに入る冒頭に、武田さんは「明治維新」と「1945年敗戦」の2つの違いと共通点を参加者一人ひとりに問いかけました。
武田さんは、その2つを「革命」と捉えていて、明治維新から77年後に起こった敗戦から来年が77年に当たることに言及し、来年こそ、3番目の「革命」を起こす時期だと言うのです。そして、いよいよ国民の出番が来たというのです。
お願いや要求する政治ではなく、国民みんなでつくる政治を、というのが武田さんの考えです。
かなり勝手に解釈して紹介していますので、不正確かもしれません。
武田さんは構想実現に向けて動きだそうと改めてリンカーンクラブ活動を再開していく計画です。これからまた時々、武田さんの構想を紹介してもらい、話し合うリンカーンクラブサロンも再開したいと思います。
昨今のような、国民から遠く離れてしまった政治を私たちの手に取り戻したいと思っている方で、武田さんのリンカーンクラブ活動に興味を持っていただける方がいたら、ぜひまたサロンにご参加ください。
武田さんは今、「同志」を探していますので。
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