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2021/06/02

■湯島サロン「聖母神社と天上聖母」報告

本間さんの「聖母信仰」サロンの第2回目は、日本における3つの聖母信仰の話でした。

前回に続いての神功皇后の「聖母(しょうも)信仰」、中国の福建省から起こった「媽祖(まそ)」伝説からの「天上聖母」信仰、そしてキリスト教の「サンタ・マリア」の聖母信仰。
ていねいなレジメまで作ってくれたので、日本の「聖母信仰」の全貌がわかったような気がします。しかも、それぞれを祀っている日本の「聖母神社」3種類すべての所在地図まで作ってきてくれて、その一つひとつを説明してくれました。

神功皇后を祀る聖母神社は九州に多いというのはわかりますが、媽祖信仰の聖母神社は九州のほか、東日本にも多いのは意外でした。そこから何が見えてくるのか、楽しみです。

ちなみに3つの聖母に共通するのが、「海(水)」とのつながりです。
キリスト教の聖母マリアも海につながるのかと不思議に思ったのですが、コロンブスの大西洋横断航海のときの帆船が「サンタ・マリア号」だと本間さんは思い出させてくれました。
「媽祖」の「媽」には「母」の意味もあるそうですが、「牝馬」の意味もある。なぜ海や水の神なのに「馬」なのか。参加していた升田さんによれば、「馬と天と龍」はつながるのだそうです。『易経』によれば、馬は陽の気の盛んな動物であり、馬の陽気が窮極にいたると龍になるのだそうです。龍は究極の水の神。馬もこうして水(海)に通じます。そういえば、ギリシア神話には天馬(ペガサス)が登場します。

「海」は「産み」に通ずるという話もありましたが、私自身は、どうして「海」と聖母がつながるのか、あるいはなぜ日本では3つの聖母信仰が神社で祀られているのかが、まだ理解できていません。これから追々わかってくるのでしょう。
いやそれよりも、海に囲まれた海洋国家なのだからもっと「聖母信仰」は広がり神社も多くていいのではないかと思いましたが、聖母神社はともかく、海神や水神を別の象徴で祀っている神社は多いと教えてもらいました。
そういえば私も水俣に行ったときにお詣りさせてもらった、山の水俣の山頂の神社の御祭神が「サンゴ」だったのを思い出しました。

私はこれまで、神道というと何となく山をイメージしていて、海のイメージで神道を考えたことがありませんでした。そういえば、海に浮かぶ鳥居は少なくありません。
神道に関する本は少しは読んでいたつもりでしたが、全く何もわかっていないようです。
これからの本間サロンの展開が楽しみです。

マリア観音は、以前は隠れキリシタンが仏教信徒に見せかけるための苦肉の策として観音像にしたと言われていましたが、むしろ「聖母マリア」が観音信仰につながっていたという見方になってきているという話もありました。
キリスト教は布教の過程で、その地の人々の信仰に合わせていくのだそうですが、日本列島では聖母マリアの親和性が強かったようです。
これも面白い話です。なぜサムライ日本で聖母がキリスト教の布教の鍵になったのか。

沖縄の文化に通じている平井さんは、3つの聖母信仰の話を聞いて、なにかひらめいたようですが、私は今回はともかく3つの聖母信仰の話を消化するので精一杯でした。
ただ、神功皇后はあまり好きではなかったのですが、ちょっとイメージが変わりました。
それと、信仰と宗教はやはり違うのだなと改めて実感しました。
これから本間さんの神道サロンがどう展開していくのか、とても楽しみです。

今回は八幡信仰の話はあまり出ませんでしたが、住吉や宗像の話は少し出ました。
前回、本間さんが予告したとおり、どうも話は壮大になっていくようです。
次回がまた楽しみになってきました。

Honma2

 

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