■節子への挽歌5079:また夢で虚しくなりました
節子
また夢で目が覚めました。
とても未練がましい夢です。
長年、企業の経営幹部の研修プログラムのアドバイザーをやっていました。
単なる研修ではなく、当初は「経営のこころと道」を回復するという目的でつくられたプログラムです。
その基本設計にも少し関わったこともあって、20年以上、つづけていました。
しかし次第に単なる経営技術研修になってきたので、辞退させてもらいました。
もちろんそうならないように働きかけはかなりしましたが、結局、だめでした。
昨夜はそこでまだアドバイザーをやっている自分の夢でした。
とはいえ、大きな方針はもう変わってしまっていて、私はその流れに抗して、参加者一人ひとりに、経営のパラダイム転換の必要性を説いていました。
目覚めた時の記憶では2人の幹部候補生がちょっと私の意見に関心をもって、後日。私を訪ねてくる約束をしてくれました。
夢ではなく、実際も、私のアドバイスはなかなか通じませんでした。
なかには今も湯島のサロンに来てくれるほどの人もいますが、当時は私のアドバイスを「ノイズ」と言って反発した人もいます。
「ノイズ」というのは、私がよく使った言葉です。
いま企業経営に大切なのは、主流の経営学知識ではなく、ノイズに耳を傾けることだといっていたのですが、受け入れてくれた人もいますが、当時の経営主流に煎る人には通じなかったのかもしれません。
なにしろそのプログラムは、経営トップの登竜門的な位置づけを得ていたから、ノイズはノイズでしかなかったのかもしれません。
いまにして思えば、当時のノイズをきちんと聞いてくれていたら、そして私の経営観を受け容れてくれていたら、いまのような状況にも困ることはなかったと思っています。
しかし、残念ながら、いまなおドラッカー経営が流行っています。
そんな無念さが夢になって表れたのでしょう。
これからの経営に何が大切かを盛んに説いている自分が夢の中にいました。
目覚めた時は、何か懐かしさと夢の中では2人の若者への期待からちょっと元気だったのですが、この挽歌を書くうちに、むしろ虚しさが覆ってきました。
あの頃、共感してくれた何人かの経営幹部生はどうしているでしょうか。
どうしてこんな企業にしてしまったのでしょうか。
たしかに社長になって活躍した人も多いのですが、最近は連絡もあまりありません。
ちょっと寂しさが襲ってきました。
経済の流れに何の影響も与えられなかった。
今日も曇りの空模様。
なかなか畑に行く機会が得られません。
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