■シャスナ・ズボフの「監視資本主義」
また刺激的な本を読みました。
シャスナ・ズボフの「監視資本主義」です。
昨年から話題になっていましたが、ようやく翻訳が出版されました。
私は原則としてどんな本も一気に読むようにしていますが、本書はあまりに厚いので5日もかかってしまいましたが、退屈はしませんでした。
本の内容はある程度知っていましたが、改めて読んでみて、自分の甘さを思い知らされました。
そのメッセージを一言で言えば、私たちは産業システムの原材料になってしまいつつあるという話です。ズボフの次の言葉がそれを象徴しています。
「私たちがグーグルを検索していると思っていたら、実はグーグルの方が私たちを検索していたのです」。
私がずっと危惧していたことが、これほどまでに現実化してしまっているのかというのが、改めてこの大部な本を読んでの感想です。
しかも私自身もそれに加担しているような生き方をしている。
「監視資本主義」というよりも、「操作資本主義」と言った方がいいでしょう。
8月7日に湯島で、嶋内さんと鈴木さんに「新型コロナ騒ぎから見えてきたこと」をテーマにサロンをやってもらいます。
お2人が行き着いた先にあったひとつは「スマートシティ構想」ですが、これも監視資本主義の行き着く先の一つだとズボフは書いています。私たちを取り巻く「資本主義」は、すでにもう大きく変質しています。
にもかかわらず、相変わらずの言葉だけの資本主義批判をしている人が多すぎる。
産業の原材料になってしまう前に、自らの生き方を変えるためにも、ぜひ多くの人に本書を読んでほしいと思います。
あまりに厚くて読むのはそう簡単ではありませんが、内容はとてもわかりやすいので、時間さえあれば読めますので。
オリンピックを見るよりは、いい夏を過ごせると思います。
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