■湯島サロン「世界に広がる〝陰謀論”から見えてくること」報告
半年ぶりの「陰謀論」サロンだったためか、あるいはみんなの意識が変わったのか、今回の陰謀論サロンは前回に比べて参加者が倍増しました。
少し意識して、いろんな動き(情報)のつながりを考えていくと、矛盾したおかしなことが少ないことに気づきます。たとえば、オリンピックを開催しながら外出自粛を呼び掛ける。とんでもない大統領だという報道があるのに、米国ではトランプへの根強い支持者が少なくない。私の場合、ワクチン接種を進めたいと言いながら、どうしてワクチンを注射する「痛そうな」映像を毎日のようにテレビで流すのかも、理解できません。
そういう、ちょっとした「おかしいこと」から、「隠された意図」や「真実」が見えてくることがある。小さな事実のピースをていねいに拾い、つなげていくと大きな物語が見えてくる、ことがある。
これが、私が「陰謀論」に関心を持っている理由です。
陰謀論は、そうした大きな構図を考える一つの補助線になるからです。具体的な固有名詞による「陽動作戦」(それこそが「陰謀」?)には注意しないといけませんが。
サロンは、前回と同じく、北川さんと中嶋さんから、事実紹介とそれをどう読むかの仮説の紹介をしてもらいました。
北川さんは、最近のアフガンの話と新型コロナウイルスの話をとりあげて、いろんな事実を話してくれました。ボーっと聞いていると聞き過ごしますが、よく聞くとおかしなことや矛盾に気がつきます。そうした違和感を解いていくと、そこに何か隠された意図や利害関係が見えてくる。北川さんは、「陰謀」などと言わなくても、小さな事実から見えてくる事実の意味を自分で考えることが大切だと考えているので、そうした考える材料をたくさん紹介してくれました。
中嶋さんは、そうした事実を大きく読み解くための仮説や推測できる「意図」の存在について、話してくれました。これも、あくまでも一つの「仮説」として、です。
ちなみに、コロナ騒ぎが始まってすぐの昨年、中嶋さんが湯島のサロンで数回話してくれた「仮説」は、その後、裏付ける事実が次々と出てきていますが、では「誰が」「何のために」ということになると、確証は得られません。得られないために、逆に様々な憶測を呼び、DS(ディープステート)論が広がった。もちろんDSが表面に出てきたということは、さらにその奥にもっと深い存在が隠れているということでもあるのですが。
陰謀論の黒幕は誰かこそ、陰謀論の要ですが、この点に突っ込んでいくと、いささか「トンデモ陰謀論」になりがちで、今回も、最後はなんと「アトランティスの末裔」の話にまで行きました。前回はアレキサンダー大王が出てきましたが、まあ、これは中嶋さんのサービス精神であると同時に、陰謀論に過剰にはまり込まないようにという、中嶋さんの配慮かもしれません。大切なのは、事実を柔軟に考えるという姿勢ですが、陰謀論にはまりすぎると逆に思考が呪縛される恐れがあるからです。
しかし、主役は誰であれ、表面的に見える事件の奥には、見えにくい意図や仕掛けがあることは否定できません。
テレビでも報道されたことがありますが、2014年にウクライナで起きたマレーシア航空機撃墜事件の裏にあった「陰謀」を、誰もがアクセスできるオープンソースの情報のていねいな収集と分析によって暴いた「ベリングキャット」の活動もあります。陰謀などあるはずもないと、与えられた情報をうのみにしていると、いつの間にか世界はフェイクニュースで覆われてしまうかもしれません。
陰謀論こそがフェイクニュースだという見方もできますが、案内にも書いたように、「陰謀論」は「陰謀」を隠すための「陰謀」であると同時に「陰謀」に気づかせるための「陰謀」でもあるのです。
「陰謀論」を頭から拒否するのではなく、そこに含意されたさまざまなメッセージの絡み合いを読み解きながら、世界を捉える「仮説」を構築することで、世界が見えやすくなるかもしれません。
アトランティスまで登場すると「トンデモ陰謀」と一蹴される方もいるかもしれませんが、そうした見方からも学ぶことはあるはずです。世界の動きへの感度を高めるためにも、これからも湯島では陰謀論サロンを継続したいと思います。
ちなみに、参加者の関心事は、コロナだけではありません。
今回も、9.11や日本航空123便墜落事故も話題になりました。
いずれもさまざまな憶測が飛び交っている事件です。
どなたか話題提供してもいいという人がいたらご連絡ください。
サロンを企画させてもらいます。
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