■湯島サロン「新型コロナ騒ぎから見えてきたこと」報告
「新型コロナ騒ぎから見えてきたこと」のサロンは反響が大きく、途中で受付を終了するほどでした。幸いに当日は参加できなかった方もあり、何とか定員内でおさまりました。ご協力に感謝します。
サロンでは、嶋内さんと清水さんから、それぞれの体験を話してもらいました。おふたりが行き着いたのは、なんと日本政府が進めている「スマートシティ構想」や「ムーンショット計画」ですが、それらと新型コロナ対策との奇妙なつながりにおふたりは驚いたのです。
嶋内さんは、クルーザーでの感染者発生後の対応に違和感をおもちだったようですが、「あれ!」と思ったのは、海外留学していた友人が新型コロナのために帰国させられた時の空港の検疫でした。検疫で空港に足止めされているだろうと思っていて電話したら、なんとその日のうちに友人はほとんど何の検疫も注意もなく、自宅に戻っていたのです。友人も、あまりにも何もなかったので不安に思ったそうです。郷里で万一、感染がはじまったら大変ですから。
報道されているのと実態は違うようだ、そう思って嶋内さんはいろいろと調べだしたそうです。もちろんネット検索などで調べられることを、です。
そうしているうちに、いろんな疑問が解けだしたというのです。
たとえば、コロナ対策で、「新しい生活様式」が政府からも提案されました。「コロナ対策のため」ではなくなぜ「新しい」なのか気になっていたそうですが、政府のホームページに出ていた「スマートシティ構想」(コロナ感染症が話題になる前に発表されていました)には、同じような新しい生活習慣を2030年までに定着させることが書かれていたのです。しかも、そこに見覚えのある人の名前まで出てくる。その符牒の一致に驚いたそうです。
もしかしたら、自分が気づかないうちに、「大きな意図」に沿って私たちは動かされているのではないか。おふたりは、そうやって、いろんなことに疑問を感じ、調べだした。調べるだけではなく、いろいろな人の話を聴き、自分で考え、気づいたことや思ったことを周りの人にも話しだした。しかし、なかなか聴いてもらえない。
とまあこんな話をしながら、おふたりがいろいろと感じたことを話してくれたのです。
参加者の反応はいろいろでした。かなり激しいやりとりもありました。
コロナ騒ぎで、社会が分断され、格差が広がっているという意見に対して、どういう分断が生じているのかという問いかけもありましたし、新しい生活様式は自由の束縛につながっているという意見にも異論が出されました。
しかし、誰かが意図して「分断」や「格差」をつくっているという犯人捜しがおふたりの関心ではありません。自分もまた、それを構成する存在である社会そのものが、そういう方向に動いている。そうなっているのは、社会の動き、政治や経済に対して関心を持っていなかった私たちも無縁ではないのではないか。
私たちは政府が目指している「スマートシティ構想」も「ムーンショット計画」もほとんど知りませんが、専門家は、私たちの暮らしを豊かにするために、そうした構想や計画を立てて政策を方向付けてくれているのかもしれません。
しかし、自分たちの生活の未来を、専門家や政府だけに任せていいのか。せめて、自分たちがどういう方向に向かっているのかを知り、それが自分にとっての望ましかどうかを考える必要があるのではないか。情報は隠されているわけではなく、公開されていて、調べようと思えば調べられる。自分の未来はやはり自分で考え、専門家や政府にも、その思いを伝えていくのが私たちの責務ではないのか。
おふたりは、そう言っているように思いました。
あまり議論はありませんでしたが、最後に嶋内さんは、デジタル監視社会に言及しました。すべてはデジタル監視社会に向かっている。ある意味で、それは避けようがない。しかし、そういう流れに身を任されるのではなく、その動きに関心を持って、自分でもできることを探していくことが大切なのかもしれません。批判したり嘆いたりしているだけでは何も始まらない。
以上は、私が感じたことですので、おふたりの意向とはずれているかもしれません。
新型コロナ騒ぎは私たちにいろんなことを気づかせてくれました。
おかしいと思っている人もいると思いますが、わからないことも多くて、たとえばワクチンに関しても受け取り方はさまざまです。新しい生活様式にも疑問を持つ人もいるでしょうが、大きな流れには抗えない。
こうして、みんな世間の風潮や政府のガイドに応じていくことになりがちです。それは仕方がないとしても、せめて思考を放棄するのではなく、いろんな動きに関心を持ち、ただマスコミ情報だけに頼るのではなく、おかしいと思ったことは調べてもいく、あるいは誰かに訊いてみる。そういう姿勢を広げていくことが大切であり、またそういうことは誰にもできるということを、改めて気づかせてもらいました。。
見せられる世界に生きるのではなく、自分の世界は自分で作りたいと改めて、私は思いました。
ちなみに内閣府のムーンショット計画に関しては、次をご覧ください。
https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/gaiyo.pdf?fbclid=IwAR14B5BT0-qi1PbfsHv3bVfwa4NmSzCItartu4LSkyoNcxPgn2cHrSZ-ujM
これに関しては、山森さんが近いうちにサロンで少し紹介してくれる予定です。
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