■「被爆者からあなたに」(岩波ブックレット)
8月6日と9日の、広島、長崎での平和式典のテレビでの報道を、例年と同じく自宅で見ていました。
今年は核兵器禁止条約が発効したこともあって、もう少ししっかりと報道され、関連番組も組まれるかなと思っていましたが、例年よりも簡単な報道でした。テレビも社会も、相変わらずコロナとオリンピックばかりで、社会はここまで軽薄になってしまったのか、と内心少し怒りを感じながら、でも何とか最後まで見ていました。
その前後のオリンピック報道も不快で、選手たちは6日には黙祷くらいはしたのだろうかとふと思いました。平和の祭典なら、世界から来た選手たちにも式典の報道くらいは見てほしかったですが、いまや「闘いの祭典」になっているアスリートたちには関心はないかもしれません。そういえば、彼らは福島の原爆事故の跡にもいっていないのでしょうか。そう思ったら、ますます怒りが強まりました。
私も、しかし、テレビ報道を見て、少し考えただけですから、他者のことをとやくいうことはできません。
6日には、最近、岩波から出版された、日本原水爆被害者団体協議会が編集した「被爆者からあなたに」(岩波ブックレット)を読みました。こういう被爆者からのメッセージを、読むことしか最近は私もしなくなってしまっています。
軽薄な社会の風潮に、私もどうも流されてしまっているようです。
さすがに、コロナやオリンピックには流されてはいないつもりですが、結局は何もしないのですから、みんなと同じなのかもしれません。
必要なのは「怒り」ではなく「反省」です。しかし、どうも最近は「怒り」が「反省」に勝っている。困ったものです。
昨夜、夜中に目が覚めて、「被爆者からあなたに」(岩波ブックレット)をみんなに読んでもらう呼びかけなら私にもできるなと思いつきました。
以前ならまとめて購入してこれはという友人たちに配布するのですが、最近は湯島を維持するだけでも困窮している有様なので、お知らせするにとどめることにしました。
620円と私にも購入できる価格で、1時間もあれば読み終えられる、読みやすい本です。
平和や核兵器に関心のある人なら、たぶん一度は触れたことのある内容が多いとは思いますが、改めて思い出し、自らの生き方を考える戒めにできるはずです。
まだこういう話を読んだことのない人には、ぜひ読んでもらって、感じてもらいたい。
そう思って、本書を紹介させてもらうことにしました。
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