■湯島サロン「最近の政治の動きを考える」報告
政局が騒がしい時のサロンでしたが、9人が集まりました。
男性7人、女性2人です。若い世代の参加がなかったのが残念です。
もっと残念だったのは、明るい話がほとんど出なかったことです。
案内に、「政権を非難するだけの話し合いにはしたくありませんので、よろしくお願いします」と書いておいたことを、参加者のお一人が最初に注意喚起してくれました。
おかげで、非難サロンや愚痴サロンにはならなかったと思いますが、そのために話し合いが抑制されてしまったのかもしれません。前向きに話そうとしてもそれが難しい。
参加者それぞれの、個人的な過去の体験談も出ました。
ミャンマーやアフガンなど、海外で頑張っている人たちの話も出ました。
その一方で、どうも最近の日本の政治については、語りようがないし、この状況を変えていく方策もない、といった感じでしょうか。
未来への希望を感じられないので、ささやかな現状の安定にしがみつく「ゆでガエル」状態のまま、状況はどんどん悪化していくのではないかという意見も出ました。
と言っても、まったく前向きの意見がなかったわけではありません。
小選挙区制度にもかかわらず、二大政党体制ができていないという、制度と実態のずれを質すべきだ、政治家の世襲制を見直すべきだ、政治の透明性をもっと高めるべきだ、報道のあり方を見直すべきだ、官僚と政治家の役割分担を見直したらどうか、などなど、この状況を変えていく糸口はいろいろ出てきたように思います。
現在の政局に関しては、少しだけ議論になりましたが、誰が自民党総裁になるかは、あまり関心は高くなかったような気がします。しかし、総裁選がテレビで話題になることによって、自民党支持は増えるでしょうから、総選挙への影響は大きい。
せっかく、政権の実態が見えつつあるのに、また「お祭り騒ぎ」で肝心の問題が見えなくなってしまう。そういう危惧をお持ちの方もいました。
いまの日本に野党はあるのか、という議論もありましたが、自公民に代わるべき存在がなければ政権交代もイメージできない。そうであれば、政権交代は起こりようもない。
でも考えようによっては、現在の政治構造が一変するということはあるかもしれません。〇〇党から××党への政権交代とは違う、政権交代が起こるかもしれない。
2時間の予定を大幅に超えてのサロンでしたが、何か希望が見えてきたという感じはしませんでした。
政治を語ることが夢を語ることにつながっていた時代をちょっとだけ経験した私にとっては、今は「政治を語ること」がとても難しい。
改めてそう思わされたサロンでした。
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