■節子への挽歌5132:聖林寺の十一面観音
節子
昨日、東博で開催されている聖林寺の十一面観音像展にいってきました。
最近は、コロナのために事前予約制になっていますが、少数に限って当日券があると聞いていたので、予約せずに行きましたが、大丈夫でした。
考えてみれば、昨年の2月に東博の特別展に行こうと思っていた、まさにその日から、コロナのために東博は突然休館になってしまい、その後、再開された後も事前予約制になってしまったのです。
ですから1年半ぶりの東博です。
聖林寺の十一面観音は、気になりながらまだ一度もお会いしたことのない観音です。
写真では何回も見ていますが、天平仏の安心感のある観音像です。
今回は、その観音像が、三輪山と大神神社特有の三ツ鳥居の写真を背景にして、展示されていました。しかし残念ながら、観音はガラスケースに閉じこめられていました。
夜、誰もいなくなった後、たぶんこの観音は横になりたいのに、ガラス箱に閉じこめられて、つらいだろうなと同情しました。
そうやって生気を失った観音は他にもいます。
渡岸寺の十一面観音もそうです。
会いに行くたびにやつれていくがよくわかる。
観音像は、しかしすばらしいものでした。
十一面のうち、3つの顔を欠損していました。
背後の憤怒相はありませんでしたが、それもあって全体にとてもあったかな感じがありました。
でも寂しそうでした。
観音の前で、しばらく呼びかけてみましたが、手ごたえがありませんでした。
仕方なく鑑賞してきました。
展示場では360度の角度から像が見られますので、それはいいのですが、仏像を横から見るのは好きではありません。
正面や背後からは美しいのですが、私としては横からの観音は大体においてお腹が出ていて好きになれません。
聖林寺の11面観音も例外ではありませんでした。
今回は十一面観音の脇侍だったとされる地蔵菩薩と不動明王もいました。
ただし不動明王は傷みすぎていて補修予定だそうで、写真だけでしたが実物大の写真でした。何回も見比べましたが、どう考えても不釣合いです。
月光菩薩と日光菩薩もいましたが、政策時期が違うばかりでなく、表情が全く違っていました。聖林寺の十一面観音は孤独な仏のようです。
節子にも会わせたかったです。
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