■湯島サロン「他人の写真で自己発見・ 自己覚知 ~ 写真の解読も何かに役立つ?」
仲谷さんによるワークショップ形式の対話型鑑賞サロンは7人が参加しました。
いわゆる対話型鑑賞サロンとはちょっと違い、仲谷さん独自の工夫を加えた相互理解や自己認識を深めるコミュニケーション型サロンでした。
コミュニケーション分野で、さまざまな活動をされている参加者も数名いたこともあって、こうしたワークショップの可能性を確認する上でも、興味あるサロンになったような気がします。
今回の題材は写真でした。
仲谷さんは、まず参加者一人ひとりに、「撮る」「見る」「撮られる」という3つの切り口で、写真との関わりを紹介する形での自己紹介を促しました。
参加者は全員、私はよく知っているはずの人たちでしたが、写真との関わりの話を改めて聴くことで、それぞれの新しい側面に触れさせてもらいました。
加えて、私自身も、写真との関わりを話すことで、忘れていたことをいろいろと思いだすことができました。
仲谷さんが、ワークショップの題材に「写真」を選んだ意味が理解できたような気がします。
参加者全員の自己紹介が一巡した後、仲谷さんはまず軽めからと言って、8枚の組写真を示して、そこからワークショップに入っていきました。
その組写真を題材に、仲谷さんはいろいろな問いかけをし、参加者はそれに一人ひとり応えて、それを材料に話し合うという感じです。
それで少しみんな慣れたころ合いを見計らって、仲谷さんは別の10枚の組写真で、ワークショップを進めました。最初のとは違い、かなり想像的・創造的な思考が要求されるばかりか、それぞれの受け止め方の違いを話し合える仕組みになっていました。
ワークショップの進め方や内容は、仲谷さんの様々な知見が含まれているでしょうから、私から中途半端な紹介をするのは控えたいと思いますが、体験させてもらって、さまざまな可能性を感じました。
組写真を使ったワークショップの後、参加者一人ひとりが、感想や気づきを話しましたが、これもまた相互理解と自己確認のためにとても有益だった気がします。
たとえば、自分の思考がネガティブなのに対して、ポジティブに受け止める人がいることを確認できたとか、同じ写真を見ても真反対に受け止める人がいることがわかったとか、写真を見ているとその向こうが見えてくる、とか、いろんな感想が出されました。それ自体も、私にはとても面白かったです。
今回は、仲谷さんもある意味では実験的なワークショップに挑戦されたと思いますが、できれば類似ワークショップとの連携も視野に入れて、仲谷スタイルの独自の対話型ワークショップを磨きあげていくと様々な分野で活用できるのではないかと思いました。
できれば仲谷さんにはまたワークショップをお願いしたいと思っています。
ちなみに、私は、自分が思っている以上に、人間中心主義から離れだしていることに気づかされました。組写真に出てきた鳥や馬に親近感を強く感じました。
まあどうでもいい蛇足ですが。
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