■政治サロン「民主と共和と立憲―統治のあり方を考える」報告
政治への関心は政局への関心とは全く違うと私は思っています。
でも多くの人は、それらを混同している気がしていて、そのことがいつも気になっています。そこで、政治の捉え方を考え直したいという思いで、政治関係のサロンをはじめ、今回はその3回目でした。
今回の切り口は「統治」。
国家を前提にして生きる時代であれば、その国家がどういうように形成され、どういうルールで運営されているかに関して、改めて考え直すことが大切だと考えたのです。
国家のあり方や運営ルールが、私たち一人ひとりの生活につながっていることは避けがたく、そうであれば、私たち一人ひとりがうそれにどう関わっていくかが、「政治」なのではないか、そのためには、政局ではなく、その根底にある政治に関するリテラシーを高めていく必要があるというのが、私の考えです。
政治の本質は、政局や具体的な政策課題にあるわけではない。
そこで今回は、世の中にある意見を整理して、統治の4つのかたちを提示させてもらいました。資料として添付しますが、「民主」「立憲」「共和」「専制」の4つです。
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前の3つは、日本やアメリカの政党に使われていますが、いずれも「専制統治」から抜け出ようという民主主義志向の歴史の試みを象徴しています。
最初に10分ほど、言葉の意味を説明してから、最後に、「私たちは、今の政治にどう関わっていけばいいか」と問いかけさせてもらいました。
意外だったのは、説明が終わった後、いずれの説明もあまり聞いたことがないと指摘されたことです。私にとっては、ここで整理したことは基本の基本であって、異論や新鮮味など皆無だと思っていたからです。
しかし考えてみれば、こうした言葉はあふれてはいますが、党名に使っている政党関係者でさえ、あまりきちんと語ってはいないようにも思いますし、アメリカの政党にいたっては、建国当初の「民主」「共和」の理念とは似て非なる状況になっているようにも思えます。
ちなみに、政党名に使われるもう一つの概念に「自由」や「公明」がありますが、これは統治概念ではないと思います。むしろ「自由」をどう統治するか、統治をどう「公明」にするかの方法こそが、この4つの概念に象徴されると思っています。
議論はかなり盛り上がり、予定の時間を1時間超えても終わる気配がありませんでした。
でも注意しないとやはり政局や政策課題に話は向きがちです。
しかも、観察的になりがちで、私が考える「政治」とはどうも違うような気がしてしまいました。政治は観察するものではなく、実践することだと思っているからです。
国家や政府はみんなが暮らしやすい状況を育てるために、みんなでつくる仕組みではないのか。つまり私たちは、国家を構成する要素としての国民ではなく、国家を統治する主役でなければいけないのではないか。そしてそれが理念として認められているのがいまの時代状況なのではないかと思うのですが、多くの人はいまなお、国家は私たちとは別次元に存在する第三者として受け止めているような気がします。
だから、国家を批判し非難する。あるいは請願し期待する。
さらに、それがうまくいかずに、国家に絶望し、その結果、統治者の専制に身を任し、愚痴をこぼし、時に非難する、寄生的な存在、観察的な存在になってしまっているのではないか。今回、みんなと話し合っていて、改めてそう感じました。
ちなみに私は、いまの日本は「専制政治」に向かっていると感じています。
国民の多くも、それに賛成している。政治などといった難しいことは専門家に任せ(同じように経済も専門家に任せ)、ワクチンをうてと言われたらワクチンをうち、消費税が必要だといわれたら収入がなくても税を払い、従順に生きていこうとみんな思い出しているようにさえ思えてしまいます。それが幸せなのかもしれません。
しかし、私にはあまりにもぞっとする世界です。
でも幸いに最近はAI政治の可能性が出てきた。
もしかしたらAIが私たちを幸せにしてくれるかもしれません。
ただしこれにも、私はあまり共感できません。
それで、最後に映画「イーグル・アイ」の話も少しさせてもらいました。
サロンの報告というよりも、私の悲観的な思いを書いてしまいました。
サロンでの興味深い話し合いの報告ができずにすみません。これはやはりサロンでリアルに体験してもらわないと文字では伝いにくいです。
もしできれば、添付した当日配布した検討メモを読んでもらえるとうれしいです。
関心を持っていただければ、ぜひまたサロンしたいと思っています。
なお今回の選挙に関して22日に緊急サロンを開催することにしました。
お時間が許せば、ぜひご参加ください。
案内は下記にあります。
http://cws-osamu.cocolog-nifty.com/cws_private/2021/10/post-79f82f.html
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