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2021/11/11

■湯島サロン「好奇心は人を変えるか」報告

加藤誠也さんの「好奇心」サロンは、10人を超す大盛況でした。
しかも6歳から80歳の幅広い世代の参加で、時間もまた1時間も延びてしまいました。

Koukisin
今年度のノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎さんが記者会見で、ここまで研究を続けられてきたのは「好奇心が原動力」と話したことが話題になりました。
好奇心を育て、好奇心に沿って生きることは日本では難しいというメッセージでもあったと思いますが、今回の加藤さんのお話も、そうしたことに深くつながる問題提起だったと思います。

加藤さんは長年、企業経営コンサルタントして活動してきていますが、組織も人も変容が求められているにもかかわらず、なかなか変われないことを実感しています。そればかりか、仕事もあまり楽しんでいない人が多い。にもかかわらず、みんな疲れ切っている。加藤さんは、使命感や責任感に押しつぶされているのではないかというのです。

加藤さんは、ソニーの創業者の盛田さんがよく話していた「自分を変えることを楽しもう」という言葉を紹介してくれましたが、仕事って、本来は楽しいものではないのか。私はそう思います。楽しくなければ楽しいものにしていけないものだろうか。楽しそうに話す真鍋さんの顔を思い出します。

改めて、私たちは「好奇心」との付き合い方を見直す必要があるのではないか。
加藤さんが、改めて大学院に通いだして「好奇心」に取り組みだした理由がよくわかります。

本論に入る前に、加藤さんはご自身の「好奇心」の対象の一つとして、「ズレ」という言葉を出してくれました。
たとえば、「したいこと」と「していること」とのズレです。
真鍋さんは好奇心に従って「したいこと」に取り組んだ。しかし最近の日本人の多くは使命感や責任感、あるいは与えられた仕事に呪縛されて自らの好奇心を抑制しているのではないか。それでは自分の生活も組織も社会も、生き生きしてこないのではないか、と加藤さんは考えているようです。

私たちの人生を楽しく豊かなものにし、社会も組織も豊かで元気にするためには、「好奇心」が大きなカギを握っている。加藤さんからのメッセージを、私はそう受け止めました。

加藤さんは、パワーポイントと配布資料を使いながら、1時間ほど、話題提供してくれました。さまざまな視点や問いかけがありました。詳しい紹介はあきらめて、項目だけをいくつか紹介します。

「使命感・責任感と好奇心・探究心」
「興味(感情)と好奇心」
「プラスの好奇心とマイナスの好奇心」
「好奇心は自分のうちにあるのか、環境で出会うものなのか」
「人の成長変容段階と好奇心」
「現前の見えているものの呪縛力と見えないものへの好奇心」
「課題解決の原動力・牽引力としての好奇心」
「もう一人の自分との対峙」
「好奇心の効用と功罪」

どれをとってもじっくりと話しあいたいテーマばかりでした。

好奇心をどう捉えるかという話も出ました。
人によって捉え方はさまざまでしたが、それを話し合うだけでもおそらくたくさんの気づきが得られるでしょう。

参加者の一人から、サロン翌日、好奇心に関して続きのサロンをやってほしいというメールが届きましたが、今回、加藤さんが問いかけてくれたどれか一つのテーマを選んで、好奇心パート2サロンを企画したくなっています。

真鍋さんが提起してくださった「好奇心論議」は、残念ながらその後、立ち消えとは言いませんが、忘れられそうで心配です。
そうならないように、近いうちにまた呼びかけさせてもらいます。

加藤さんの大学院での好奇心研究はまだ始まったばかりです。
博士論文がまとまったら、また是非サロンでお話をしてもらいたいと思っています。

 

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